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軍官の休日/ Olv.E ページ21

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「それで何用ですか?」
「そうそう。私達お茶会に誘われたのよ。」

彼女はそう告げると一通の招待状を出して机上に置いた。上品な艶を放つそれは漆黒を纏っており、何処か物々しい。立体的な型押しは悪魔の羽を模している。彼女には様々な伝手、様々な顔があるとは想像に容易いがまさか此処迄片足を突っ込むとはやはり彼女も研究者なのだと思う。

「エンジェルデーモン社。美味しいお茶と一癖も二癖もあるお菓子が有名な会社だけど、実態がどうなのか気になるでしょう。然も私を招待なんて裏があるとしか思えない。私は家のあまり明るくない部分を担っているから余計に。断る事も出来るけれど、それはつまらないじゃない。ね、デイヴもお茶はお好きでしょう?」

うふうふと笑う瞳は立体化した好奇心に彩られており、観念するしか無かった。彼女は何処か危なっかしく幼い言動を繰り返すので、大人達の大層な茶会等に参加させたら、弄ばれるに決まっている。要はなめられやすいのだ。その大人達が尋問及び作法担当の軍官である彼女に無礼を働いたらどうなるか。

「ご一緒させて頂きます。」
「ふふ。そうと決まったらお仕立てしなくちゃ。」

想像して背が薄寒くなる。流石に当時の無茶は働かないだろうが、鉄鞭の一つや二つは出てきそうなので己がいた方が良いだろう。彼女はにこにこ笑うとごくり、と全て杯の中身を飲み干してしまった。紅茶はもう少しで冷め切ってしまう直前だった。

「……だと思いました。」
「折角だもの。美しいデイヴを皆に見せたいわ。」

柔らかい微笑み溢す彼女に細やかな気持ちが、ふ、と胸中に広がる。よく馴染むそれは庇護欲だなんて生易しい物ではない。更に複雑化した透き通る純心だ。目立たせない様に表情に織り込んで笑って見せる。焦がす様な思いに気が付きませんように。

「Aくんはまたそんな事を言って。」
「うふふ。ごめんなさいね。」

長期戦に持ち込んで得意げに彼女が口端を上げた。ふわりと美しい髪が靡いて柔らかく光を纏う。小悪魔な笑みを浮かべて僕を誘う彼女に釘付けだ。高輝度な美貌が艶々と乱反射してくすんだ現実を騙る。今直ぐにでも僕から離れて飛び立ってしまう様な彼女に困惑の小言を零した。

あなたへ/ S.Lulu→←軍官の休日/ Olv.E


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設定タグ:2j3j , ヤンデレ , 短編集   
作品ジャンル:タレント
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鵯(ひよどり)(プロフ) - イズミさん» お初お目にかからせて頂きます。ご愛顧賜れて何よりで御座います。リクエスト承りました。緩慢に連ねておりますので3日〜1週間程お時間頂戴する事、ご承知おきくださいませ。 (2022年11月29日 21時) (レス) id: 9c96610dd1 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ(プロフ) - 初コメ失礼致します。鵯様の作品の何とも言えない美しさの虜になった者です。リクエストでskngさんで束縛タイプのヤンデレは可能でしょうか…?その他のシチュエーション等はお任せ致します。 (2022年11月29日 18時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(ひよどり)(プロフ) - 煙さん» 此方こそ大変有難うございました。そういう表現は旗付きにならない様にする事が出来ませんでした。無念。妄想で補ってくださいませ。大変申し訳ない。微力ながらも精進して参ります。よろしくお願いします。 (2022年11月20日 23時) (レス) id: 9c96610dd1 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエスト書いてくださりありがとうございます…!実物の彼はヤンデレチックな素振りをあまり見せないので難しいかなぁと思っていたのですが、見事に解釈一致で助かりました。これからも貴方様の美しい小説を楽しみにしております! (2022年11月20日 22時) (レス) id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも主様の作品楽しく読ませていただいております。リクエストなのですが、夢主が少し病み気質で手首に傷をつけたりしてしまうタイプで、夢主大好きなkgmさんがおそろいにしたくて真似しちゃうみたいなお話をお願いしたいです。 (2022年11月16日 17時) (レス) @page1 id: 0f6ec90c76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鵯(ひよどり) | 作者ホームページ:  
作成日時:2022年10月24日 19時

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