努力と無理は別物 ページ24
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まるで軍の犬、まあ狂犬と陰で揶揄されているのが少しだけ分かるような気がしなくもない彼は自分の目の前で止まると彼は口を開けた。
「先生がお前を呼んで来い、だって。僕、お使いと言付けにきただけだから！」
それじゃ、とニコニコ顔で去っていく彼を溜息とともに見送り、頭を抱える。何用だ、と尋ねる前に彼はいつも答える。無邪気と言えば耳触りはいいが、自分勝手なのだ、あの男は。いつでも自分に発言権があると思うなよ。
それにしても今日が診察日だということをすっかり忘れていた。あの男が言付けに来てくれなければ、永遠に記憶の彼方だったろう。そこは感謝する。けれどその先生、もとい軍医はどうしようもないクズである。
その溌剌な彼の背中を見送りながら、走るな！と怒号を飛ばし、医務室の方へ踵を返した。まあ、彼のことだろうから自分の言葉は聞こえてないだろう。腹心の彼奴も彼に首輪だけでなく、リードをつけたら如何だろうか。提案したりしたら余裕たっぷりに唇を歪ませ、「ほう。では、まず貴殿の分を発注してやろう。喜べ。」などとサディスティックな提案が返ってきそうなので言ったことはない。誰がお前の犬になんかなるか。
そんな下らないことを考えているうちに医務室へ着いたようだ。
人工的な青白い蛍光灯の下に「医務室」と書かれたプレートがぶら下がっている。ノックすれば柔らかい木の音と気の抜けた成人男性の声が返ってきた。クズと名高いだけあって、向こうからは扉を開けない。狂犬から診察日を聞いた瞬間から地味に厭になっているのだから、今日は厄日かもしれない。ドアを開けるという単一の所作ですら億劫だ。
「先生、来たよ。」
ドアノブに手をかけてこちら側に引けば、正真正銘のロクデナシがいた。
看護婦さんだろうか。いやに胸の大きなメスに迫り、汚い笑みでメスを壁に追いやっていた。ちなみに押しやられた看護婦さんは満更でもなさそうだ。気持ち悪いったらない。こちとら徹夜明けだぞ。
其奴は此方をその体制で顔だけで見た。こちらを振り向き固まる男は言わずもがな、我が軍公認の軍医である。心底吐き気がするが。その皺の寄ったよれよれの白衣をなんとかして欲しい。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます！流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました！ (2017年12月29日 19時) (
レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか？もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです！……こ、こういうリクエストも平気ですか？ (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年12月20日 18時
