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糖度96% * ページ21

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冷たいテーブルにこれまた無慈悲な羅列が燦然と並んでいる。白紙に浮かぶ文字の段々畑に軽く頭痛と眩暈を覚えながらもくるくるとペンを回す。私の頭も同じようにくるくると回ったらどれだけ良かっただろうか。ネジが10本ほど抜けている私には不可能な話ではあるのだが。

「気難しい顔してなんか大変そうだな。」


さっ、と前を見ると目の奥で楽しそうに笑う彼と目がかち合う。同じプリントを解いているにも関わらず、彼のプリントは全ての解答欄が埋まっている。相変わらず流線美を具体化した彼の文字が綴られたそのプリントと半分も埋まっていない私のプリントを交換して欲しい。書いてあることが全く分からないのだ。

「どこが分からないのだ、全て日本語で書いてあるぞ。」


それは分かっている。何せ今私が解いているのは地理のプリント。苦手な教科の一つである地理は私の枷となって付いて回る。思わず散り散りにしたくなるが、それはできない。

彼は考え込むような仕草をして、大量にラインの引かれた私の教科書の上に小さな包みを置いた。それは見慣れた薄いプラスチックの袋に包まれた四角いキャンディ。私のお気に入りのキャンディである。驚いて彼とキャンディを交互に見ると彼は優しく微笑んだ。

「行き詰まって疲れたときには糖分を摂るといいらしいぞ。」


そんなあてにならないような諸説にあやかってか。彼はご機嫌に笑ってもう一つの飴を口に投げ入れた。甘党な彼には至福だろう。

幸せそうに飴をバリバリと咀嚼する音が耳に響く。普通キャンディとは舐めるものではないのだろうか。けれど、その音が存外心地いいので彼に指摘したことはない。恐らく、無意識なのだろう。

彼はバリバリと飴を砕きながら、答えの書かれている冊子を取り出した。そうして赤ペンを虹のように紙面に走らせ、丸をつけて行く。さらさらと流れる時間とともに無彩色だった紙に紅一線、きゅきゅっ、と机と擦れて点数が描かれる。

「96点だったぞ。」


彼の名前の横にはお手本のような美しさで点数が刻みつけられている。彼は自身の点数を見た後、私のプリントを一瞥して彼の答案用紙を差し出した。

「早く写せ。そうして切り上げるぞ」


ぶっきらぼうだけれど、結局、彼は私に甘い。




*( ´・ω・`)Love様、リクエスト頂き誠にありがとうございました。

雪娘→←破壊主義者


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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます!流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました! (2017年12月29日 19時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか?もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです!……こ、こういうリクエストも平気ですか? (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月20日 18時

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