遊戯場のクリスマス ページ12
※クリスマス企画
かこん。薄暗い光のたもとに遊戯を楽しむ2人。ナインボールがかつんと木霊しキューがボールをひとつき。ポケットに入って行くボールにまわりの人間は歓喜した。サンタ・ロースと呼ばれる彼女は不可能とも言える勝利を鮮やかに奪い去った。
ここは合法的なカジノ。サンタ・ロースは偶然空いていたビリヤードを見受けキューをにぎる。なんとはなしにボールを打っていたらここではビリヤードは珍しいのか、それとも他の遊戯に飽きたのかギャラリーが疎らながらに集っていた。正直、目立つのは好きではない。けれど集まったギャラリーを無視するのはこの場所ではご法度。諦めてゲームを続けるしかない。
誰でも一度は名前を聞いたことのあるナインボール。ため息をついて
8番がポケットにストンと落ちる。ここまでファウルなしに続けているものだから観客たちの目は赤い少女に釘付けだ。カンカンとボールがぶつかる音が聞こえてポケットにナインボールが落ちていく。沸き立つギャラリー。けれど、彼女は飽きたのか近くのディーラーに任せてその場を去った。彼女はあくまでも遊戯をするために来ていて、お金を稼ぎに来たのではない。
普段はしないようなことをしたかったのだ。折角のクリスマスなのだから、今日くらいは静かに過ごしたいと思ったのかもしれない。今日も今日とて賑やかなカジノなんかにはクリスマスもへったくれもないが。赤い手袋のサンタを意識したドレスに身を包む無名の少女。ゲームと運が人よりも強く頭の回る少女。カジノでは彼女をクリスマスの妖精、すなわちサンタ・ロースと呼んだ。
静寂を好んだ少女はこよなくゲーム愛し、キチガイっぷりを発揮してクリスマスという聖夜に遊戯に打ち込む。その様が無様であるのか、はたまた美しいのかは人それぞれであろう。部屋の隅で柄にもなくスパークリングワインをごきゅりと飲み干す彼女は軽く余韻に浸っていた。
「聖夜もへったくれもないよなあ。クリスマスにゲーム三昧なんて。」
鼻から葡萄特有のアルコールを吐き、中のシャンパンをくるくると転がす。それは彼女を振った恋人によく似ていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯さん» リクエスト消化してくださりありがとうございます！流石鵯さま、期待以上のお話が読めて嬉しい限りです。良ければまたリクエストさせてくださいね。ありがとうございました！ (2017年12月29日 19時) (
レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
鵯(プロフ) - (´・ω・`)Loveさん» 大丈夫ですよ。ありがとうございます。気長にお待ちくださいませ。 (2017年12月28日 21時) (レス) id: 10532b6a12 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)Love(プロフ) - 鵯のさえずりというページは消されたみたいですけど、リクエストってまだ受け付けてますか？もし大丈夫でしたら飴の出てくるほのぼのとしたお話が読みたいです！……こ、こういうリクエストも平気ですか？ (2017年12月28日 10時) (レス) id: e516045fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵯
| 作成日時：2017年12月20日 18時
