弐 ページ28
｢それは……出ていけということか…｣
｢そう、なります…｣
狐は震えながら、俺を抱きしめた。
その力はあまりにも弱くて、初めて抱きしめられた時の力強さを思い出させた。
｢嫌じゃ……わしは、わしはお前さんをっ…｣
｢愛していました。狐さん｣
背に手を回し、俺は感情を出さないようにそう言った。
｢何故!何故名を呼ばない!
それに、愛していた…なんて、そんな…｣
｢……狐さん。俺は……いや、小生は｣
｢やめろ……頼むから、どんどん距離をあけんでくれ…頼む｣
段々と強くなる腕の力に、狐の涙によって濡れる着物。
こんな狐を見たのは初めてだ。
あぁ、俺まで泣いてしまいそうになる。
けれど泣けば、手放せなくなる。
ずっと傍にいたくなってしまう。それはダメだ。
そうなれば、苦しむのは狐なのだから。
｢今日で、最後にしましょう｣
｢っ……ほんき、なのか｣
｢もちろん｣
狐の体温が離れる。
そして見えたその表情に、いつもの凛々しさなんてものは無かった。
俺は、一体どんな顔をしているのだろう。
せめて、‘悲しい’なんて顔はしていませんように……。
俺は、そう誰かに願った。
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ふぃっく - 一番気になるところで終わるのがウズウズします！！！！！！ぜひ続きを書いてください！ (2023年4月16日 14時) (
レス) @page38 id: 634615dde5 (このIDを非表示/違反報告)
心春(プロフ) - ロールロールさん» コメントありがとうございます。最近更新出来ずに申し訳ありません…。近々更新致します。あたたかいお言葉ありがとうございます。 (2020年4月5日 12時) (レス) id: 3f9e794f84 (このIDを非表示/違反報告)
ロールロール - はじめまして!とても楽しみに更新待ってます！体調管理に気をつけてください!応援してます。頑張ってください。 (2020年4月5日 0時) (レス) id: d8adda4a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：心春 | 作成日時：2020年1月12日 9時
