鯰尾藤四郎 ページ7
「俺だけのものになりませんか?」
「ごめんなさい無理です」
審神者部屋では、鯰尾藤四郎とAの堂々巡りのようなやり取りが繰り返し行われていた。
「なんでですかー。俺結構本気ですよ?」
「それなら尚更。私は"みんなの”主だからね」
鯰尾は膨れっ面をしてAを見つめる。Aはというと、仕事に追われていて彼に構う暇もないようだ。
「みんななんて、どうでもいいじゃないですか」
ちらと彼を見ると、悪そうな笑みを浮かべてそう言った。
「いいの?君の弟達のこととか、いち兄のこととか」
本棚の書類を整理しながら言う。
「いいですよ」
予想外の答えだった。驚いて彼の方を見ようとするとすぐ後ろに彼がいた。思わず後ずさると本棚にぶつかる。これが俗に言う"壁ドン”とやらだろうか。ドキドキもしている。最も、恐怖でだが。
「正直、主と二人きりになれればなんでもいいんです」
その瞬間、Aの意識が消えた。彼が急所を確実に仕留めて気絶されたのだった。崩れかけたAを彼が支える。
「さあ、行きましょう?俺らがいなくたって、なんとかなりますって」
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作者名:ホタルイシ | 作成日時:2018年10月10日 18時