【刀剣乱舞】神隠しされるそうです。 (ページ6)

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和泉守兼定ページ6

宴の席、刀剣男士達に酔いが回ってきた頃のこと。Aの隣に和泉守兼定が腰を降ろした。

「珍しいね。堀川は一緒じゃないの？」

「別にいつだって一緒にいるわけじゃねーよ」

「ほとんど一緒にいるけどね」

Aが茶化すと和泉守は「うるせえ！」と言い、猪口に入っていた酒を飲んだ。

「あんたって、審神者になる前はどんなだったんだ？」

不意に彼はそう訊いた。

「別に……普通の一般人だったよ？」

「あーいや、そういうんじゃなく……恋人、とか」

恋人……。Aは口の中で復唱し、自嘲気味に笑った。

「ないない！私に彼氏なんて、一生かかってもできやしないよ！」

彼は腑に落ちないような顔をしてから、Aに笑いかけた。

「あんた、自分がどんなにいい女だってことが分かっちゃいないな」

Aはきょとんとし、彼の肩を思いっきり叩いて言った。

「お世辞が上手いなぁー、兼さんは」

「世辞じゃねえよ。俺だけのものにしたいぐらいだぜ？」

これはたちの悪い酔いの悪戯。Aはそう思っていた。

「ーAか。 ……俺と一緒に、来てくれるよな？」