大切な人の席【江戸川乱歩】

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Aside

この駄菓子美味しい

流石、駄菓子好き

…これ勝手に食べてよかったのかな？

「！社長！来客です」

おぉ、前より男前になってる

椅子から降りおじぎをする

福澤社長は、僕の顔を見るなり大股で近づき

「今まで何処に行っていたんだ！！」

と怒鳴った

迫力と想像もつかないぐらいの声量で怒られたから後ろに尻餅を着く

周りは、その場に凍ったかのように立ち尽くし何も云わない

「えっ…えっと…」

散歩と称して取材に行ったのにはちゃんと理由がある

あるけど云いたくない…

狼狽する僕に追い打ちをかけるように叱る福澤社長

「どれだけ心配したと思っている！話せない事情があれど、俺には一言云え！何か合ってからだと遅い！A！自分が探偵社員だということを自覚しろ！」

目の前がグルグルして頭が真っ白になっていく

社長の怒鳴り声は初めてだった

怒られる承知で入ったが…ここ迄迫力があるとは思わなかった

それより気になったこと…

「…僕、未だ探偵社員としてやって行けるの？」

その言葉を聞いた社長が、目を少し見開いたあとため息を吐く

「当然だ。乱歩の善哉の残った餅を食べれるのはAぐらいだ。それに、ここなら乱歩と同じように力を最大限発揮出来るだろう。Aなら出来ると信じている」

やだぁ乱ちゃん未だ善哉の餅を食べれないの？

と云ってしまうとご本人が出てきそうなので、その言葉を飲み込む

けどまぁ…最後の言葉は本当のことだし、それに

「信じてもらえてるなんて…嬉しい」

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