ツインレイ。【大塚達宣】

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ダバダバ...



「...おい藍、藍！！ バカかお前口(くち)！！みず！！」

藍「あ、え、サーセン祐希さん」



イタリアに帰る飛行機の便が一緒で、着いたらご飯食いましょー！なんて言われたから来たのはいい。

けど、一緒にレストラン入ったやつが目の前で口に含んだ水をとめどなく出してるんだから困る。


きったねぇ。



藍「っ、ちゃうんですよ祐希さん！」

石川「なにがだよ」



藍「これ、これぇ！！！」



近い近い。と眉間に皺を寄せながら 目の前にある液晶をじっと見つめる。


『ご報告』『彼女』 『交際』『大塚達宣』



今度は俺が咳き込む番だ。



石川「はっっ？？？なに、大塚？？？？」



大塚のインスタの投稿の上に、関連で出てきたパナソニックパンサーズの公式を見れば、

それはまぁ、俺なんかが見たことない顔で笑う大塚。


いつもの大塚らしい、いやそれ以上に 誰かを愛おしそうに見つめる目。
俺でもわかる、『恋をしている』目だ。



藍「たっちゃ、たっ、タツノリさぁんっ、」



半泣きなのだが。



石川「だれ、だれなの」


藍「大阪フィルハーモニー交響楽団の吉楽A.... キラちゃん！？」


石川「知り合い？」


藍「知り合いっちゃ知り合いっすけど祐希さん知らないんすか？めちゃめちゃ有名なヴァイオリニストですよ」

石川「知らない」


藍「そうでしょうね。 いろんな国のオーケストラとかで演奏してるらしいです。単身で。拠点は日本ですけど」



ふーん、とあまり興味のなさそうな返事をしてしまって藍が不機嫌。



藍「そっかー...まだ続いてたんやー...


高校の頃会ったことあるんですよ。あれ...吹部がバレー部の応援に来た時やったかな」



だとしたらだいぶ長い。たぶん。



藍「達宣さん、バレーと勉強と、それしかないみたいな感じやったけど、下にキラちゃん降りてきた途端デレデレしとったのよく覚えてますもん」



あの大塚が、デレデレ...？ ハテナが浮かぶ。



藍「相性良さそうやなーって思っとったら、なんか幼なじみらしくて。

祐希さんなんて言うか知ってます？





ああいうの、『ツインレイ』ゆうんですって」



うっすらと聞いたことがあるような。




石川「大塚の話、聞くの楽しみだね」





俺は少し、興味が湧いた。

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