第二話 ページ2
- you side -
少し日の落ちている商店街は、
買い物に来ている主婦達で賑わっていた。
私は一人、
【 新巻発売! 】と、
大きく書かれた広告の下に置いてある
漫画を一冊手に取り、
会計を済ませ、信号を待っていた。
まだ、少しだけ暑いこの時期。
半袖でも良かったかな、と、少し手で
顔を扇ぐ。
すると、後ろから聞き慣れた声がした。
「...A、勉強してなさいって言ったはずよ」
『...、お母さん』
母は、眉間にシワを寄せており
怒っている様子が伺えた。
『漫画の最新巻、買いに行ってただけ、
帰ったら、ちゃんと勉強するから』
あぁ、怒られるなぁ、と、
気分が悪くなるも、
( 勝手に出歩いた私が悪い。 )
そう思いながら、母を宥めるように、私は
落ち着いた声で話しかける。
「...そんなもの買っているから、
A判定がとれないのね」
突然、母が呆れたように言う。
『........は?』
溜息を付く母に私は、
いつもよりずっと低い声で、そう言った。
「は?じゃなくて、そのままの意味よ。
漫画なんて読んでるからね。しかもそんな──」
腹の奥がぐつぐつと煮えるような、
そんな感覚になった。
目の前に居る母への嫌悪と、
この場に居たら、私がダメだと思って
私はそのまま、まだ信号が赤に光る交差点に
───飛び出した。
刹那、聞こえたのは私の名前を呼ぶ母の声と
すぐ隣で鳴るクラクション、
それと、もうひとつ
「 ── 可哀想に。 僕が助けてあげよう。 」
「皆、きっと、歓迎してくれるはずだ。」
アニメで聞いた、オール・フォー・ワンの声。
瞬間、私は、強い衝撃と共に
意識を失った。
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縁(プロフ) - ケロまる。さん» 初めまして。私の作品を読んでいただいてありがとうございます。応援していただけると、とても励みになります!面白いと思って頂けるよう努めていきます! (2023年2月12日 9時) (レス) id: 36c180ca86 (このIDを非表示/違反報告)
ケロまる。(プロフ) - 初めまして。この作品を読ませていただいています。あなたの書くヒロアカの夢小説大好きです。上から目線になっちゃいましたが、更新頑張ってください! (2023年2月11日 20時) (レス) @page31 id: 0601be7ffe (このIDを非表示/違反報告)
縁(プロフ) - 雪樹さん» 初めまして。励みになるコメントありがとうございます。不定期更新ではありますが、面白い作品にできるよう頑張っていきます! (2023年2月2日 16時) (レス) id: 36c180ca86 (このIDを非表示/違反報告)
雪樹(プロフ) - 初めまして!今日この作品と出会いあまりにも面白すぎて一気に読んでしまいました。今後どうなっていくのかすごく楽しみです。更新頑張ってください!応援しています! (2023年1月29日 22時) (レス) id: 671c591c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縁 | 作成日時:2023年1月25日 20時