【RKRN】鬼才なアイツは先輩が少し苦手【男主】

第六十二話 ｰ天才ｰ ~忍術学園全員出動！パロ~ ページ32

ｰ注意ｰ
三郎(五年生)の過去捏造があります。捏造が苦手な方はブラウザバックを推奨します。
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ｰ鉢屋目線ｰ

私が二年生へ進学する少し前、ある噂が学園内に広まっていた。


《来年の新入生の中に天才がいるらしい》


その噂を私が耳にしたのは友人の八左ヱ門からだった。


「三郎！来年、凄い奴が来るらしいぞ！何か"天才″と言われててな。三郎、お前後輩に負けるなよ〜？」


八左ヱ門は私を揶揄うつもりなのだろうが、私は気にも留めなかった。別に八左ヱ門の言葉が癪に障った訳では無い。だが、新入生が天才と言われている事に私は少々哀れみを感じた。


"天才"


私は入学して数日後、そう言われるようになった。
別に悪い気はしていなかった。だが、何時しか私の悪評を流されていた。


『お前、天才の鉢屋三郎だろ？』

『天才のくせしてこんな事しか出来ねーの？』

『天才も大した事ねーな』

『やっぱり天才の鉢屋三郎より秀才の久々知兵助だな』


最初は無視していた。
人の噂も七十五日。どうせすぐ終わるだろう。

しかし、そうはいかなかった。いつか、友人達の悪口、ありもしない事を言われるようになった。


『久々知兵助って実は先生に袖の下を渡して成績良くしてるんだって。秀才って名ばかりかよ』

『尾浜勘右衛門って誰にも良い顔して気持ち悪いよな、どーせ学級委員長になったのも先生に媚び売る為だろ？優秀ない組ちゃんは大変だよなー』

『最近生物小屋が火事になっただろ？あれの犯人竹谷八左ヱ門らしいぜ』

『不破雷蔵は本当忍者向いてないよなー。まぁ課題写させてくれるから表向きは仲良くしてるんだけど。つか彼奴の取り柄って優しさだけだろ？』

『鉢屋三郎と居ると不幸しか起きねーぜ』


彼奴らはそんな事気にして無さそうな素振りだったが、校舎裏で、厠で、放課後の教室で、真夜中に、皆泣いている事を私は見ていた。

だから本当に学園を辞めようかと思った。


しかし、先輩方･･･今の六年生が助けてくれたんだ。

具体的な事は教えて貰ってないが、気付けばそんな噂はある日を境にパタンと止み、私達の悪口や嘘を述べた奴らの姿を見る事は無かった。

あの頃は純粋に先輩は凄いとしか思っていなかったが、今は分かる。
あの方々が行う事なのだから、きっと言葉では表せれない様な事なのだろうな。

あんな事があってもまだ、私の隣に仲間(あいつら)はいる。

彼奴らに空いた心の穴を、私が隠してやらないとな。

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