第六十一話 ー綺麗ー ~忍術学園全員出動!パロ~ ページ31
「っえ、襲うって・・・、あれで?」
「・・・はい。え、あれを襲うと言わずに何と言うのですか」
思ってたのと違う。てっきり、俺の威勢とかに驚いてくれたのかなーって思ってたのに。逆だった。俺の勇気を馬鹿にしやがった。いや、別に勇気なんて無かったけどさ、殆ど無意識だったけどさ。
「A」
突然、鉢屋先輩が話し掛ける。
「はい?」
「襲うって言うのはさ、」
鉢屋先輩が優しい目を真っ直ぐ俺に向け、右手を俺の頬に添える。
「こういう事を言うんだよ」
触れるだけの接吻。そう、接吻は触れるだけ。
しかし、俺は直ぐに気付いた。鉢屋先輩の左手が俺の寝巻きの中へと伸びていくのを。
慌てて両手を使って先輩と距離を作る。
「ちょ、先輩!何しようとしてるんですか!後当たり前の様に接吻するの辞めてくださいよ!」
「何って、明らかにそう言う雰囲気だったじゃないか・・・。しかも今更過ぎないか?接吻に照れてるのか?」
特に反省の色無し。それより自分が悪い事をしていると言う感覚が無いのだ。
「そう言う意味では無くて・・・、何で先輩方は男である僕に接吻したがるのですか・・・」
「は?A気付いてないのか?我々五年生は当然だが憎いことに六年生、四年生も皆Aの事を恋愛対象として見ているのだぞ」
「・・・、それは薄々感ずいていましたが、その理由ですよ、僕が知りたいのは。僕以外の四年生も先輩方も普通に二枚目じゃないですか。何で俺何かに・・・」
すると先輩は静かに目を伏せて言った。
「まだ、まだ知らなくて良いさ。ただこれだけは言っておく。・・・私達は何時でもAの味方さ」
喉がキュッと押さえ付けられている様な感覚がした。声が出ない。何、何なのさ。先輩らしくない。さっきと違うじゃん。そんな俺の事を全て見透かした様な目で見ないでよ。・・・俺の事、何も知らない癖に。
「・・・っ、そうですか。僕、明日宿題しに家出るので、寝ますね。あ、布団一枚しかないので先輩どうぞ。僕はそこら辺で寝るので」
「A」
横になろうとした時、先輩に引き留められた。
声の主がいる後ろを向くと、当の本人は窓を開けて夜空を眺めていた。
「月が綺麗だ」
つー、と頬に温かい水が垂れた。
何でかは分からない。
俺は無意識に鉢屋先輩の背中に抱き着いていた。
華奢な体。
でも、嫌いではない。
鉢屋先輩が何か呟いた様な気がしたが、聞き取れず俺は意識を手放した。
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あい(プロフ) - ありがとございます🥺 (2022年3月20日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
氷室アオイ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!体調までお気遣い頂き本当にありがとうございます…!!あいさんも、三寒四温の時期ですのでお体を大切にお過ごし下さい☺️ (2022年3月20日 20時) (レス) id: 1a5681ae5a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 全員出動楽しみです!! リクエストこちらこそ忙しいのにありがとございます🥺 ゆっくりで良いので体を大事にして下さいね、、風邪引かないように気をつけてください (2022年3月20日 20時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
氷室アオイ(プロフ) - あいさん» コメント、リクエストありがとうございます!リクエスト無理を言ってしまい申し訳ありません… 忍術学園全員出動!ですよね?ご期待に応えれる様なお話は書けないかもしれませんが頑張ります!今の内容が終わったら即書かせて頂きます! (2022年3月20日 20時) (レス) id: 1a5681ae5a (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あ!! ありがとございます 泣きそうですwww また続き描きますねwww えっとリクエストなんですけど映画を書いて欲しいです!! 喜三太救出とオオマガトキの話です (2022年3月20日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷室アオイ | 作成日時:2022年1月17日 20時