ジャックポット【wrwrd】

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gr｢そこに掛けてくれ。｣

そう言って赤いソファを指さした。
反発する理由もないので何も言わずに座る。
総統はティーカップに紅茶を注ぎ、私に差し出した。

『総統が入れるお茶ですか。』

gr｢味の保証はしよう。オスマンのお墨付きだ。｣

『…なら相当でしょう。』

一度だけ外交について行った時に飲んだ。
その道のプロが入れたのではないかと思うほど、香りが飛ばず味が良かった。
総統が入れた紅茶も、あの日と同じだ。

gr｢毒などの心配はしないのか。｣

『私は今、貴方の所有物なので。毒殺されようと処刑されようと何も言いません。』

ほう、と目を細めた。
戦利品、という言い方ならこの返しが妥当だ。
彼は目の前のローテーブルにトランプを出した。

gr｢今度はポーカーなんてどうだ？｣

『そんな在り来りなので満足します？』

質問を質問で返す。
彼はまた楽しそうに笑った。

『戦争にしません？』

gr｢運のみのゲームだろう。それが楽しいか？｣

『おかしなことを言うんですね。』

トランプを受け取り、よく切る。
同じ分量で2つの山に分け、片方を総統に渡す。

『ギャンブルは運だからこそ面白い！』

それに、私の言っている戦争は少し違う。
私は山札を自分で見る。

『ハウスルールにしましょう。これは山札ではなく手札。自分の好きなカードを出せます。カードを出す前に3回だけ質問ができる。しかし質問は言った数字より上か下かしか聞けない。』

gr｢つまり6より上か下か。Jより上か下か。そういう風にしか聞けないのだな。｣

『えぇ。これを7回繰り返し、多く勝った方の勝利。単純なゲームでしょう？』

gr｢あぁ…実に興味深いゲームだ。｣

『何を賭けます？』

彼は考える素振りをした。
もう決まっているだろうに。

gr｢お前の忠誠が欲しい。｣

『忠誠…ね。分かりました。では、私が勝ったら…とある本を見つけて欲しい。』

gr｢題名は？手に入れにくいものなのか？｣

『いえ。庶民にも読まれている物語ですよ。題名は…この闇と光。』

gr｢…賭けるものも決まったことだ、早速やろう。｣

彼は早速1枚カードを出した。
それを見て私も選ぶ。

『カード、オープン。』

カードを捲る音が静かに響いた。

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