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黙々と食べている途中に、唐突に話しかけられた



「昨日、お前の好きな奴に振られた」



来ると思っていた話題に、思わず手の動きが止まる



「知ってますよ。もうミツ先輩のせいで傷つくことがなくなると思うもホッとします。だから、二度とAさんには近づかないでくださいね」



後輩らしからぬ言葉遣いだが、今はそんなの気にしてられない



「そんな怒んなよ。もう手出ししねーから」


「それなら、安心です」





そう言い、最後に残しておいた味噌汁をかきこもうとすると




「皐月に、俺の嫁に、会ったんだろ。んで、聞いたんだろ、あれのこと」




あれとはきっと、皐月さんのお腹の中にいる赤ちゃんのことだろう




「はい。Aさんと二人で聞きました。俺だって衝撃的でしたよ。けど、隣に座ってたAさん見たら、辛そうで苦しそうな顔を必死に隠してましたよ。」


「そう、だよな・・・。最低だな、俺・・・」


「何を今更。ミツ先輩は最低な人ですよ。けど俺も最低だから、おあいこです。結果的にAさんとミツ先輩の関係が終わるきっかけになると思って、安心したから。だからおあいこです」



正直なところ、皐月さんの話を聞いた時、ホットした


これであの二人の関係が終わるんだって


Aさんの辛さや悲しみを他所に、安心してたんだ







お盆を持ち上げ、席を立つ



「玉森。これからは、Aのこと、幸せにしてやってな」


「当たり前。あなたに言われなくてもそうするつもりです」


「ありがとうな」





ニコリと微笑んだミツ先輩の顔には、少し辛そうな表情が残ってた


あの人もあの人できっと辛い思いをしているんだろう


同情して、今までのイライラを抑えた









オフィスに急いで戻ると、Aさんの姿がなく、ボードには"早退"の二文字が書かれていた


「うわ、ミツ先輩なんかと飯食ってたせいで・・・。行かなきゃよかった」


体調が悪いという彼女が心配だった

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たまっち(プロフ) - nanacoさん» 初めまして、たまっちです!ご感想ありがとうございますm(_ _)m初コメですごく嬉しいです!今後もぜひ、展開を楽しみに読んでいただけると幸いです(o>ω<o) (2020年2月23日 2時) (レス) id: 94d0777d49 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 初めまして(*^^*) 今日ランキングで見つけて、ここまで拝読しました(TT) 不倫ものなのにドロドロしてなくて胸が苦しくなります(;ω;) (2020年2月20日 19時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たまっち | 作成日時:2020年2月7日 22時

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