・18・ ページ18
・Lisa side・
聞き分けのない子をソファに座らせて濡れた髪を拭いてあげる。
内心、妹ができたみたいで少しウキウキしていた。されている本人には未だに睨まれているけど、そんなのは気にしない
私のパジャマを着るAちゃんはとっても可愛かった。それに指先が見えないくらいにはぶかぶかだった。元々上背が私よりも低い彼女で、その上痩せ型だから余計ぶかぶかに見える
可愛いけど…可愛いんだけど…正直、胸がチクリとした
(薄い……)
服の上からでも分かる、彼女の細さ
(無理やりにでも食べさせれば良かったかな…)
ついさっき彼女が残した茶碗にはたっぷりの白米。おかずである唐揚げにすら手をつけていなかった。唐揚げの横に添えたキャベツの山は食べてくれたみたいだけど…それだけだ
やっぱり普段から食べていないんだ
なんでだろう
食べなきゃ生きていけないのに
(服、やっぱり大きいなぁ)
そう思って袖を捲ってあげると、ゾッとするほど細すぎる腕と、手首辺りにAちゃんが付けたであろう痛々しい傷痕が目に入った。
勝手に捲ったことを謝ろうと思ったが、息が詰まって、言葉にできなかった
なんで、なんで、なんで
彼女はここまで追い詰められなければいけなかったのだろう
彼女が何をしたと言うんだ
こんなにも細い…小さい手で、今まで生きていたのか
悔しい。やるせない。悲しい。救いたい
目頭が熱くなり涙が滲む。ここで泣くわけにはいかない。それは今やることじゃない。同情なんて本人からしてみれば鬱陶しいだけだ
「聞かないの？」
LS「話したいの？」
君は、きっと言いたくないでしょ。なら聞かないよ。
君が自分から言うまで私は聞いたりしない
本当なら今すぐにだって君を暗闇から引っ張り出したい。沢山甘やかして、沢山愛して、沢山笑わせてあげたい。たくさんの幸せを君に与えてあげたい
けど、私が一歩近づく度に、君は遠くに行ってしまうから
私は…君が私を求めるまで、待ってるよ
だから君のペースでおいで
ずっと待ってるから、ここにいるから
必ず助けるから
だから……
その時になったら、私に心を見せてほしいな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢 - 更新楽しみにしてます！！ (5月31日 23時) (
レス) @page25 id: b05a1258a4 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます🥹ぼちぼち書いてるので気長に待っていてください😌 (2023年4月14日 22時) (レス) id: 99e7b95db2 (このIDを非表示/違反報告)
月乃(プロフ) - 真理さん» ありがとうございます!!更新がんばります^^ (2023年4月14日 22時) (レス) id: 99e7b95db2 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 面白いです！！これから主人公がどうなってくのか気になります！！ 続きが読みたいです！！ (2023年4月11日 23時) (レス) id: b05a1258a4 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 面白いです。これ。 (2023年4月7日 20時) (レス) id: 211f054fc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：侑 | 作成日時：2020年9月15日 21時
