【不機嫌なモノノケ庵】成り代わり奉公人は最強？ (ページ12)

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二ノ怪…四ページ12

『ふぅ、助かったー。』

俺は安堵のため息を着いた。
まじで、また、倒れるんじゃ
無いかと思ったから。

「ふぅ、助かった、じゃねーよ！
ここから出れば
また、あの妖怪に引っ付かれるぞ。」

安倍さんのお怒りモードは
継続中のようだった。

『そんな！
やっと、普通に学校
通えるようになったのに！』

引っ付かれるのはいいが
体調を崩すのだけは
勘弁願いたい。

「方法がねぇ訳じゃねぇけど…」

そう言った安倍さん。
安倍さんは分かりやすく
俺に説明をしてくれた。

あの妖怪たちは
働きアリのようなものらしい。
どこかに女王ありのような
親玉がいて、俺をそこに運ぼうと
していたと。エサにするために。

『え、俺、食われるんですか！』

「まぁ、これは俺の推測だ。
目的がなんなのかは
実際、会ってみねぇと分からねぇ。」

ここで大人しく待っていろ、と
言う安倍さん。
扉を開けようとする
安倍さんを俺は呼び止めた。

『安倍さん。
今からその妖怪を探して
払うんですか？』

俺がそう尋ねると
安倍さんは不思議そうな顔をした。

「あ？そうしねぇと、お前、
外に出れねぇだろ。」

『…なら、俺も行きます。』

俺の言葉に安倍さんは
これでもかってくらい驚いていた。

「はぁ？！
来てもエサにされるくらいだろうが！」

安倍さんはそう言った。
正直、妖怪を見えることを除けば
ポンコツ…だと思っているだろう。

『だから、エサになります。』

「は？！」

エサになると言えば
安倍さんはポカーンとしていた。
もちろん、本当に
エサになってやる気はない。

『俺が囮になって
あの妖怪の巣まで行ければ
親玉を見つけられるかもしれない。』

「…怖くねぇのかよ…？」

安倍さんは心配そうに聞く。

『もち。超怖いですよ。
でも、安倍さんだって
怖くない訳じゃないですよね？』

俺は、そう言った。
モノノケ庵の主をしてるからといって
怖くないかと言われれば
そうでも無いだろう。

「俺が…？」

安倍さんは驚いたような
顔で俺をみた。

『妖怪払いで働いてることを
除けば俺と同じですもん。
学年も同じ体格も大して変わらない。
妖怪が見える体質も同じ。
違う部分より
同じ部分の方が多いでしょ？』

それに今回の件
大元は俺のせいだしね。