パパは私を見てくれない。【フロイド・リーチ】

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Asideーーー。


夢を見た。


パパとママが産まれたての私を抱きしめている夢。

…なんて都合のいい夢だろう。


「…ちっせぇ…、…オレ抱きしめたら壊れない？」

「壊れませんよー。優しく抱き上げてください」


…いいなぁ。


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夢から覚めると、辺りはもう明るくなっていた。

「…六時半…」

…パパ、もう起きてるかな。

布団から立ち上がって、自室からリビングへ移動する。


「…お父さん、おはよう」

「ん、おはよぉ。朝飯作っといたから、バスでジェイドん家行ってね」

「…わかった」

…久しぶりだ。

パパの手料理、食べるの。

…懐かしい。気分がいい時は凄く美味しいのに、気分悪い時はすぐに焦がしてた。

「…いってらっしゃい。ありがとう、お父さん」


「…どういたしまして、」

お礼を言うのが恥ずかしくて下を向いてたから分からなかった。


…パパが、凄く嬉しそうな顔で笑ってたって。

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