歩み寄る ページ41
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Side:立花いづみ
「それから私は彼につきまとうようになった。最初は嫌がられたけど、だんだん受け入れてくれるようになったのは嬉しかったわ」
Aくんは懐に入ったものを大切にする。
そんな様子は一緒に過ごす中で何度も見られた。
そうして言葉を交わさないまま仲良くなっていった2人。
中学生になった頃、転機は突然訪れた。
〜〜〜
『…なあ』
「何? 難しい顔して」
『俺、どうしたら、いいかなっ…!』
今までに聞いたこともない、切羽詰まった声でそう言った。
戸惑いながら理由を聞く。
『…父親に後を継げって言われたんだ。でも俺は、演劇をやりたい』
「やりたいって言っても聞いてくれないの?」
『聞いてくれるはずがない。あの人は俺の事を人間だとも思ってないんだから』
「そんな…」
吐き捨てるように言ったのは理由があった。
〜〜〜
「彼の家は複雑なところでね、彼の母親が浮気した相手との間にできた子なの」
「ええっと…つもりどういうことッスか?」
「母親の本当の夫は大手家具メーカーの社長さんで、Aちゃんの本当のお父さんは小さな劇場で俳優をやっていたの」
血の繋がったお父さんはAくんが中学生になる頃に亡くなってしまったらしい。
その後はお母さんと一緒に血の繋がっていない父親と一緒に過ごすことになったようだ。
「Aちゃんは何も言わなかったけど、彼は劇団員になることを夢見ていたの。もちろん私はその夢を応援していたわ。……でも、あの父親はそれを許さなかった」
元々家には女の子1人で、実質後継者と言える人がいなかった。
そんな状況の中でAくんという存在は都合がよく、父親は店を継がせることしな考えていなかったらしい。
「それからというもの、Aちゃんは塞ぎ込んでしまったわ。…中学生が大手企業の社長になんか叶うはずがないんですもの」
父親からの虐待も少なからずあったらしい。
頼みの綱だった母親もAくんを庇うことなど一度もなく、そんな両親に彼は失望していた。
彼の理解者は、実の父親と大沢さんだけだったのかもしれない。
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あーか(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: 460cee1a24 (このIDを非表示/違反報告)
哲弥 - あの…もう終わりですか? 俺楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年6月6日 17時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!精一杯書かせていただきます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - サカナさん» ありがたいお言葉…励みになります!ありがとうございます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きとっても楽しみです!頑張ってください! (2017年9月6日 18時) (レス) id: 9dcf28c287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2017年6月7日 22時