ストレッサー ページ24
■■
「A…。おい、聞いてんのかAっ!」
『んだよ…』
「ボーっとしてんなよ。臣さんの作った弁当を残すつもりか?」
『いや、食うよ』
あまり箸は進まないけど、せっかく作ってくれたものを残すつもりは毛頭ない。
昼休みに入って、俺も万里もお互い女子に声を掛けられまくっていて…正直うんざりしている。
万里はこんなヤンキーみたいな見た目で相当持てるらしい。
女子に興味がないと言ってた。俺と同じ。
「お前朝からボーっとしてんな」
『疲れてんだよ。左京に夜中まで説教食らっちまってさ』
「左京さんの部屋に行ったのは自分だろ? 1人で寝りゃよかっただけじゃねえか」
まあ、嘘なんだけど。
左京とは「おやすみ」という一言を交わしただけで、ろくな会話はしていない。
嫌われているようだから、余計なことは言わなかった。
「あの…猫田くん、お話したいことがあるんだけど。いい、かな?」
『俺にはない。邪魔』
「あ……」
「おいおい、いくら何でも言い過ぎだ」
『うるせえな…』
最近いろいろあり過ぎたせいか、ちょっとしたことが頭にくる。
面倒くせえ…帰ろ。
「おい、どこ行くんだよ」
『サボり。じゃな、勉強頑張れー』
「待てよ! こいつに一言くらい__!!」
遮るように教室の扉を閉める。
…久しぶりに、あの場所で弁当の残りを食おうかな。
〜〜〜
『シロもタマも、ペコもネルも…皆元気だったか〜?』
「にゃあ」
「なー」
『本当っに可愛いな〜お前ら〜』
路地裏のいつもの場所に行くと、馴染みの猫たちが勢ぞろいしていた。
俺を待っててくれたのか…優しいやつらだ。
『劇団員の臣ってやつからにぼし貰ってきたからさ、お前ら一緒にご飯にしようぜ』
「にゃー!」
『はは、現金なやつ』
猫は喋らないからな〜気が楽だ。
首の下を撫でてやると、甘えた声で鳴く。
『…俺も猫になりたいな』
そうすれば面倒なこともせず、好きに寝て好きに食べて生活できるんだろうか。
人間同士のしがらみとか、そういうのから抜け出せるんだろうか。
『…馬鹿みてえ』
__弁当食って昼寝したら帰るか。
■■
633人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーか(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: 460cee1a24 (このIDを非表示/違反報告)
哲弥 - あの…もう終わりですか? 俺楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年6月6日 17時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!精一杯書かせていただきます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - サカナさん» ありがたいお言葉…励みになります!ありがとうございます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きとっても楽しみです!頑張ってください! (2017年9月6日 18時) (レス) id: 9dcf28c287 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ノア | 作成日時:2017年6月7日 22時