ありがとう5

228 ページ28

亜嵐side



バイバイと挨拶を交わして真っ暗になった画面

マネさんが片付けてくれた



マネ「無理しないの…。」



そう言われちゃうのもしょうがないよね…

通話中に目眩と耳鳴り

酷くて1回やばかった

けどみんなダンス中で気付いてなかった、、

よかった……




亜嵐「はぁっ…はぁっ…ごめ…」

マネ「良いよ…。まだ目眩…してそうだね…」

亜嵐「ん、…はぁっ…はぁっ…」

マネ「苦しいね…」



心臓辺りがモワモワしてくる



亜嵐「ん、ｹﾎｫｯｹﾎｫｯ…ｹﾎｫｯ…ｯはぁっ、はぁっ…」

マネ「ゆっくり息吸って」

亜嵐「ｹﾎｯ、…ひゅ…はぁっ…はぁっ…」



別に咳がしたいわけじゃないのに急に出始めるこの咳

すごい苦しい

咳する度に心臓がぎゅっとなって少し痛む



マネ「明日は電話しないで休も？ね？」

亜嵐「はぁっ…や、…ぃや…だ…はぁっ…」



嫌だよｯ…

メンバーの顔みたいもん…


みんなの顔を見てると…

あ…俺生きてる…

みんなに必要とされてるって…

思えるから…





そんな自分の願いも虚しく暴れ出す心臓




亜嵐「んぅっ……ｯった、、はっ、はっ、、はっ、」

マネ「亜嵐！ゆっくり！」

亜嵐「ん〜…、ぃ、、ｯて…」




ﾄﾞｸﾝｯﾄﾞｸﾝｯと震えるように脈打つ心臓

でも全身に送り出せてる感じは全くない


手の先は冷えてくるし、呼吸も苦しくなる

頭もぼーっとしてくることがほとんど



亜嵐「はぁっ、はぁっ…ぃたい…んぁっ、はぁっ…」

マネ「大丈夫大丈夫…ゆっくり息吸ってれば治るから…ｯ」




この時マネさん泣いてたんだね…

ごめんね…

こんなの毎日体験させちゃって……

俺の胸をさする手は震えてて、声も震えてた




亜嵐「ｹﾎｯｹﾎｯ、ｯく、、けほっ…」

マネ「うん…落ち着いてきたね…そうそう…」

亜嵐「はぁっ…はぁっ、はぁっ…はぁっ…」



だんだん心臓の違和感と痛みも無くなり、呼吸も落ち着いてきた




マネ「タオル…温かいタオルにしてくるねｯ…」

亜嵐「ん…はぁっ…」




下を向いて洗面所に行ったマネ




亜嵐「ごめ…ね…ｯ…はぁっ、」




発作の恐怖からカタカタ震える手を握って丸まった

酸素マスクからはしきりに酸素が出ていて…

これが無いときっと今すぐ俺は……ｯ…




亜嵐「…会いたいよ…ｯ」




数日しか経ってないのに、メンバーに会いたい気持ちは大きくなっていた

229→←227

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す