温かいを通り越して156 ページ6
※オリジナルストーリーです。
冷たい風がかぶき町を包む。
既に数日前から降り始めた雪のせいで辺りは一面白しかない。
口から出る息も白。自分の髪も白に近い髪色。
あぁ、さみぃ。
なんだよ、去年よりさみぃだろ、これ。
態々こんな日に外出した銀時はガチガチと歯を合わせる。
つい先程まで滞在していた店が暖かすぎたのか、行きより寒く感じた。
右腕にぶら下げている袋から見えるは紫と黒色のあるものと一冊の本である。
銀時は早足で万事屋へと向かった。
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昼からずっと作業していた神楽は勢いよく立ち上がった。
「出来たネ!!!!!!」
「ワン!!!」
「おぉ……」
神楽達は雪だるまを幾つも作っていた。
大きいものから小さいもの、眼鏡をかけていたり、お団子が作られていたりと色んな雪だるまが志村家の庭を染めていた。
「まぁ、たくさん出来たのね」
「アネゴ、見て見て!これ銀ちゃんアルよ!!!」
「すごく似てるわ。ニート感が滲み出てる」
「ニート感って何です、姉上。雪だるまに滲み出てたら不味いものでしょ」
「力作……」
お妙から手袋とマフラーを借りていた喜杏は和室へと入り、お妙にお礼を言いながら渡すと、どういたしましてと返ってきた。
冷えた体が少しずつ温まる。
未だに定春と遊んでいる神楽は寒さなど気にしてないかのように元気だ。
はしゃぐのにも理由があった。今日は、恋人達があちらこちらで盛り上がるクリスマス。
数日前から色付いたかぶき町は今頃、凄い人だろう。
特にイルミネーション等興味の欠片もない銀時を筆頭に大人しく過ごそうとしていた。
神楽はとても行きたがっていたのは事実。
だが、クリスマスということでお妙銀時達を誘い、パーティーをしようと誘ってもらった為、銀時より先に神楽と喜杏は志村家へお邪魔していた。
ふわりと料理の匂いが漂ってきた。
もうすぐ焼き上がるチキンの匂いだ。
時計を見ると、既に18時を回っていた。
「……銀ちゃん遅いな」
「先行っとけって言われたんだよね?」
「うん、やることあるからって」
「依頼のこと?」
「そこまでは言ってくれなかった」
「もしかして依頼が長引いたりしてるのかな。ここ最近、力仕事ばかりだったから」
「……かも」
未だに姿を見せない銀時に少々不安を隠せない喜杏は窓の外を見た。既に外は真っ暗で、先程作った雪だるまが並んでいる。
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月見ソウ(プロフ) - 真代さん» 真代さんお久しぶりです!祝ってくださってありがとうございます。柳生篇はギャグも多いのに考えさせられるお話ですよね。それを表現出来てるか不安ですが、楽しんで貰えたら嬉しいです。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2021年5月6日 12時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - ください! (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - 「貴方の傍に」シリーズ、一周年おめでとうございます!!物語は現在、柳生篇ですね。守りたいもの、取り返したいもののために、強敵と戦う話ですが、この戦いを通して、どう変わっていくのか、また、主人公はどうなっていくのか、楽しみにしてます。連載頑張って (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - みうしさん» コメントありがとうございます!1年も書いときながらまだ4巻なんで、申し訳ないです。嬉しく思ってくれること、本当にありがとうございます。今のうちに話を更新していきたいと思ってますのでよろしくお願いします。 (2021年4月28日 17時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 一周年おめでとうございます!一年間も書き続けてくださっている月見ソウ様には感謝の気持ちでいっぱいです。この作品が更新される度に嬉しくなっています…wこれからの話の展開も楽しみです。更新陰ながら応援しております! (2021年4月28日 0時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年12月11日 23時