貴方の傍に-4-【銀魂】

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神楽が先頭を歩き、迷うことなく真っ直ぐ進む。取っ手に手を掛け、道場の扉を開けると神楽の頭には白飯、そして生卵が降り注いだ。

「おいチャイナ、股から卵垂れてるぜぃ。
排卵日か？」

次に足を踏み入れた沖田は軽い口ぶりで大変失礼なことを口にした。
がしりと片手で神楽は沖田の顔面を掴み、敵陣へと放り投げた。

流石に今のは酷すぎる。
年頃の女の子に吐く台詞ではない。
何故、卵と白飯が飛んできたのかはわからないが。

沖田は痛む頭を抑えながら身体を起こした。

「いってぇ、何しやがん……」

かちゃり、と四つの刃が沖田へと向けられた。
少しでも動けば沖田の首に刃が刺さる。

「いやぁ、よく来てくれましたね。道場破りさん」

丁寧な言葉遣いに、皺ひとつない着物。
細めで肩にかかった髪をした男が沖田の横に立った。

「天下の柳生流にたった七人で乗り込んでくるとは……いやはや、大した度胸」

柳生四天王。

北大路斎

南戸粋

西野摑

東城歩

柳生家の守護を司る柳生家でも剣の腕は非常に立つ者だ。

「柳生四天王と対峙したからにはここから生きて出られると思いますな」

ポリポリと頭を搔く銀時。
正直柳生四天王とかどうでもいい。
大将を出せと言い張った。
確かに、大将を最初から出してもらえれば倒せば即終了なのだから銀時の言い分は合っている。

「アンタらのような雑魚、若に会わせられるわけねぇだろ。
俺達が剣を合わせるまでもねぇ。おらっ、獲物捨てな」

かちゃ、と更に沖田の首へと刀を近付けられる。

「人質がどうなっても……」

「「うおりゃああああ!!!!」」

一斉に己の武器を敵へと投げつけた。
木刀や真剣、番傘が敵陣の方へと勢いよく向かい床へと深く突き刺さる。
一歩間違えれば敵だけでなく沖田も無事ではなかった。
しかし、予想外の行動に敵は仰天していた。

「ちょ！何してんの!?」

「捨てろっていうから」

「どんな捨て方!?人質が見えねぇのか!!!」

人質に取った相手が悪い。
人質が新八や喜杏であれば多少投げることに躊躇するが沖田だ。今までの行いが仇となって返ってきただけだ。
特に土方、神楽。

「残念ながらそいつに人質の価値はねぇ」

「殺せヨ〜、殺せヨ〜」

「テメェら後で覚えてろぃ」

予想外の事態にも冷静に剣を抜こうと北大路は手を掛けた。

「やめろ」

しかし、それを止めたのは柳生九兵衛だった。

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