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煌びやかな光が夜のかぶき町を照らす。
何処も休む気配を見せることは無い。それは此処、ホストクラブ高天原も同じだった。
「じゃあドンペリでも持ってきて貰おうか」
普段の語尾も雰囲気もがらりと変わった神楽はこの場の空気に馴染むように居座っている。
片手にはドンペリならぬオロナミンC。傍から見れば、通い慣れてるようにも見える。
しかし、神楽と違い喜杏は顔色を悪くしてた。
春雨の件で足を運んだクラブのようにこういう場所は苦手であった。
「しんどい……」
「本来餓鬼が来るとこじゃねぇしな」
「大丈夫?喜杏ちゃん」
何故このような場所に来ているのかと言うと、先程見つけた黒板八郎(仮)と、後から来た狂死郎という男はこの高天原を経営しているものだった。
一悶着があり、主犯が高天原で働いている下っ端でその詫びとして、タダ酒と共に歓迎された。
勿論おばさんも一緒に。
ちらりとおばさんへと視線を向けるが、黒板八郎が実の息子だとは気付いていないように見える。
元々話を聞いていた真面目な息子がホストクラブを経営していたの事態、衝撃の事実ではあるが、銀時が顔も名前も変えてるという事実を伝えない限り、矢張り気づかないのだろうか。
同時に一切実の母親に息子だと名乗り出る様子をない。
音信不通、整形と手を出してしまった八郎は言い出しづらいだけかもしれないが、何故態々向こうから接触したのだろうか。
すると、喜杏の前に一杯の水が置かれた。
銀時達が顔を上げると立っていたのはNo.1ホストの本城狂死郎だった。
「顔色が悪く見えたので、どうぞ」
「あ、狂死郎さん」
喜杏はぺこりと頭を下げる。
「ホストクラブゆえこのようなもてなししか出来ず申し訳ない」
「野郎に酒ついでもらっても何だかねぇ」
「銀さん……!」
「お好きなだけ飲んでいってください」
遠慮なく銀時は気になっていたものを口にしようとした瞬間、目の前にお重に詰まれた煮豆が置かれた。
「いらないよ。ちゃんと持ってきたんだ。ほら、お食べ」
「何持ち込んでんの!?貧乏くせぇから辞めてくんない!!!てか、甘い豆が酒に合うわけねぇだろうが!!!」
水を飲みながら銀時達を見るが、浮いているのが分かる。逆に通常運転すぎて落ち着く。
しかし、本題に入る必要があった。
「狂死郎さん、ちょっとお伺いしたいことが」
黒板八郎について。
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月見ソウ(プロフ) - 真代さん» 真代さんお久しぶりです!祝ってくださってありがとうございます。柳生篇はギャグも多いのに考えさせられるお話ですよね。それを表現出来てるか不安ですが、楽しんで貰えたら嬉しいです。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2021年5月6日 12時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - ください! (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - 「貴方の傍に」シリーズ、一周年おめでとうございます!!物語は現在、柳生篇ですね。守りたいもの、取り返したいもののために、強敵と戦う話ですが、この戦いを通して、どう変わっていくのか、また、主人公はどうなっていくのか、楽しみにしてます。連載頑張って (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - みうしさん» コメントありがとうございます!1年も書いときながらまだ4巻なんで、申し訳ないです。嬉しく思ってくれること、本当にありがとうございます。今のうちに話を更新していきたいと思ってますのでよろしくお願いします。 (2021年4月28日 17時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 一周年おめでとうございます!一年間も書き続けてくださっている月見ソウ様には感謝の気持ちでいっぱいです。この作品が更新される度に嬉しくなっています…wこれからの話の展開も楽しみです。更新陰ながら応援しております! (2021年4月28日 0時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年12月11日 23時