花弁がいつつ ページ6
◆◇
その日から私は朝と夕方の1時間。
毎日、何度も華咲さんに打ち込んでいった。
最初の1週間なんて瞬殺だった。
「遅い!」
『いだっ!』
しかも容赦なく木刀で叩くもんだから、私の体は痣と豆だらけになっていた。
けれど、2週間過ぎたあたりから段々と感覚を掴めるようになってきていた。
正確には、木刀を叩き落とされたり攻撃を受けにくくなったりしていた。
華咲さんの動きが最初に比べ、ゆっくりそしてはっきり見えるようになったからだ。
今日も、いつもの様に打ち込んでいく。
『ふっ……はぁっ!』
動きについていけるようになったとはいえ、攻撃が当たることなんてない。
まず華咲さんには隙がない。
隙がない人間にどうやって、攻撃すればいいの?!
「深呼吸!!深く吸って吐く!あんた、いつも呼吸が出来てないんだよ!」
イライラしていると、華咲さんから怒号がとんできた。
深呼吸か……1度華咲さんから距離をとり、深く息を吸い吐く。
そうすると、自然とごちゃごちゃしていた頭の中がクリアになった。
流れるように華咲さんの方に向かう。
めちゃくちゃになりかけていた太刀筋がきれいになったのがわかった。
一撃入れたあとまた、すぅ。と一息吸い込むと、突然なにかきた。
よくわからないが、脳が体が今ここだと叫んでいた。
その感覚に流されるまま、木刀を振るった。
パンっ。気づけば、少し驚いた顔の華咲さんと華咲さんの手から落ちた木刀があった。
「あ、あんた」
『よ、よっしゃぁぁぁ!!オラァ!見たか!クソババア!!』
「誰がクソババアだ、ボケ!!」
ガツンと華咲さんの攻撃力抜群な鉄拳がおりた。
『ご、ごめんなさい』
いったいな。思いっきり殴ったな、クソババア。
殴られた私は気づかなかった。華咲さんが、私を恐怖と驚きの混じった顔で見ていたことを。
◇
次の日、華咲さんが手に持っていたのは木刀ではなく真剣だった。
私にも真剣が渡された。しかもそれは、あの日私と共に落ちていたという日輪刀だった。
「今日はこれでやる」
『え、無理無理、何言ってるんですか?』
「私は、あんたを斬らないさ。けど、あんは本気でおいで」
うそうそ。マジで言ってるの?
生まれも育ちも平和な日本の世に生まれた私が、もちろん真剣なんて握ったことも無い。
震える手にそれは、到底馴染みそうもなかった。
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時