花弁がさんじゅうに ページ38
◆◇
どうして?鬼殺隊の服は中級の鬼の攻撃なら、破けたりしないはず。
この鬼はどう見ても、上弦じゃない。それどころか、下弦でもない。
なのに、宇髄さんの体は酷くボロボロだった。
「どうして柱のこいつがボロボロなんだって、顔してるなぁ!教えてやろうか?俺はな、人間が絶望する度強くなれるんだよ。そこの柱が庇ってる人間がよく泣いてくれたからなぁ、俺は強くなれた」
鬼が指さす方を見れば、確かに宇髄さんが男の人を庇っていた。
「うぅっ、どうして……っ」
男の人に目立った外傷は無かったが、"何か"を抱え泣いていた。
「鬼殺隊が来てるって聞いて、慌ててそこの人間の家族を襲ったら予想以上に絶望してくれてなぁ!助かったよ」
鬼の口が弧を描く。
そこでやっとわかった。男の人が抱えているものが"人"であることに。
『うっ……!』
人だとわかった瞬間、胃から込み上げてきたモノを慌てて口を抑えて押しとどめた。
鬼は、感謝するぜ!とケラケラと笑っていた。
「それにしても、鬼殺隊ってのは不便だな?こんなクソみたいに弱い人間守ってそんな傷負わなきゃいけないんだからよォ!!」
「ハッ!こんな傷、痛くも痒くもねぇんだよ!」
宇髄さんの言葉に、鬼は怒りの色を見せると宇髄さんに近づき1発蹴りを入れた。
そのスピードは、確かに速いが宇髄さんなら避けられた。でも、そうしなかったのは後ろの男の人を守る為だ。
「おい、雑魚鬼。てめぇ、さっき不便だとって言ったな?俺たち鬼殺隊はな、それくらいの重りがあってむしろ丁度いいくらいなんだよ!!」
「負け犬の遠吠えにしか聞こえねぇなぁ?!」
宇髄さんならこんな、鬼すぐに殺せるのに。
私が男の人を守ればいい話だが、私と宇髄さんの間に鬼がいるためあちらに行けない。
「て、天元様……!」
後ろでまきをさんと雛鶴さんの切羽詰まった声が聞こえる。須磨さんなんて、涙で顔がぐちゃぐちゃになっている。
「おいおい!そこの鬼殺の女!柱がやられてるのにぼーっと見てるだけか?!助けてやれよ!」
宇髄さんを守る?恐れ多い。
私にそんな力無い。見てることしか出来ない様なクズだ。
「まぁ、弱い奴は生きる価値なんて無いよなぁ?!」
私は、死にたくないんだ
。痛いのも嫌。怖いのも嫌。それなら今ここで黙っているのが先ベストだ。なのに、
『なんで、あんたみたいな化け物に生きる価値決められなきゃいけないわけ?』
なんで私の口は余計なことしか言わないんだよぉぉ!!
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時