少女よ、咲き誇れ 【鬼滅の刃】

花弁がとお ページ12

◆◇


「この中で七日間生き抜く」

「それが最終選別の合格条件でございます。では行ってらっしゃいませ」


案内人の2人がそう話すと皆一斉に駆け出した。
……これって途中でリタイアとか出来ないのかな？え、死ぬか生き抜くかの2択なの？

私にとってもここは牢獄じゃねーか。
逃げ場がない事実に、絶望を覚えていると炭治郎に手を引かれた。


「Aどうしたんだ？行くぞ」

『炭治郎、実はね私は君に言ってないことが1つあるんだ』

「ど、どうしたんだ？」

『私ね、呼吸は壱ノ型1つしか使えない』


だから、全力で守ってね。と、にこやかな笑顔で言い放つ。


「え、ええぇっ?!なんでだ?!」

『いや、育手が教えてくれなかったから』


当たり前だよね。壱ノ型使えた瞬間、最終選別に放り出されたんだから。

華咲さん的には一刻も早く私を鬼殺隊に入れたかったんだろうけど、はたから見たらあの人こそ鬼だ。


「ふ、2人で頑張ろう！な？でも、Aの匂いは……」


炭治郎はなにかを言いかけた瞬間、はっとすると私の腕を引いて少しだけ後ろに下がった。

私達がついさっきいた場所には、2人の鬼。

「オイオイてめぇが向こうに行け。俺がコイツらを喰う」

「いや貴様が失せろ！」

「俺の獲物だぞ！」

「黙れ!!」


どっちが喰うのか言い争っている様子だ。

ボーッしていると鬼の片方と目が合った。鬼は、私を見ると恍惚とした表情をする。


「先に殺った方が喰えばいいだろうが!!」

「久方ぶりの人肉だ!!しかも、片方は稀血だぜぇ?!」

「すげぇいい匂いがすんのは、お前かぁ!!」


ビシッと鬼に指をさされる。
まじで、鬼から愛されるのね。やだ、照れちゃうなぁっ(震え声)

鬼は、炭治郎のことは見えていないのか一目散に私の方へ向かってきた。


__全集中・水の呼吸 肆ノ型 打ち潮

その瞬間、鬼2人の首は一瞬で無くなった。
ゴロッと転がった鬼の首はボロボロと崩れ消える。


「Aに近づくな」


炭治郎めっちゃ強いし、容赦ない。


『炭治郎、ありがとうぅぅ!!もう結婚しよ?!一生私のこと守って!!』

「え?!」


勢いのあまり抱きつくと炭治郎の顔がボボッと音を立てて真っ赤になった。

炭治郎と結婚したらガチで将来安心なのでは？

最終的に耳まで真っ赤になった炭治郎に、嫁入り前の子がそんなことを言ったらダメだ!!と怒られ引き離された。

……嫁いでる女の子がそんなこと言っても問題だと思うんだけど。

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