花弁がよんじゅうろく ページ10
◇◆
「テメェみてぇな、弱味噌のことなんか俺の記憶には無ぇ!!」
『そんなはっきり言われるとショックなんだけど!!最終選別の時会ったじゃん!!』
「知らん!!」
私からしたら忘れられない出会いだったのにどうやらこいつは忘れてるらしい。
『炭治郎、先にこいつの首叩き切っていい?』
「だ、駄目に決まっているだろう!!伊之助もよく思い出してみてくれ!」
「こんな状況でゆっくり考えられるわけねーだろが!!」
伊之助のその言葉と共に、鬼が吠える。低く唸るようなその声と、月明かりに照らされたその図体の大きさに改めて背筋が凍る。
__水の呼吸 弐ノ型 水車…
鬼の姿を捉えた瞬間、横から風が吹いた。炭治郎が飛び上がり、鬼の腕を斬ろうとする。
けれど、鬼の腕は硬いようで炭治郎の刃は通らない。鬼のもう一本の腕が炭治郎を殴ろうと振りかぶる。
「オラァ!!」
伊之助の刃がそれを遮った。ギリギリと2人の刀が嫌な音を立てる。2人がかりでも、斬ることが出来ない様子だった。
2人は鬼を蹴り、1度下がる。鬼には先程の攻撃なんて勿論効いているはずもなく、すぐさま伊之助の方へと向かっていく。
「A!!力を貸してくれ!」
炭治郎にそう言われ、伊之助が鬼から逃げるのを炭治郎と追う。
「俺が鬼の上に木を落として動きを止めるから、一緒に鬼の首を斬ってくれ!」
『う、うん!!』
正直、今すぐ逃げ出したいがここで逃げたらガチで良心が痛みそうだ。あと、逃げ出した後の炭治郎の目が怖い。
「行くぞ!」
__水の呼吸 弐ノ型・改 横水車!!
炭治郎の技で木がきれ、伊之助を追っていた鬼の上へと落ちる。それに合わせ、私も構える。
__生の呼吸 弐ノ型!!
__全集中・水の呼吸 拾ノ型!!
2人で鬼に向かう瞬間、ひとつ大事なことを思い出した。
(そういえばこの後、鬼って起き上がるんじゃ?)
時すでに遅し。鬼が起き上がり倒れていた木を持ち上げた。振りかぶった私と炭治郎の体は見事、木にぶち当たる。
『や、やっぱりぃぃ?!』
そのまま、私達の体は宙に舞った。ーーあぁ、私のバカ!!このままじゃ、確実に”あの鬼”に会う!!
「健太郎ーっ!!弱味噌ー!!」
「伊之助死ぬな!!そいつは十二鬼月だ!!俺が戻るまで死ぬな!!」
伊之助が遠くなっていく中で、必死に炭治郎が叫ぶ。死ぬな、とこの状況で人の心配をする君を私は心底尊敬するよ。
『ひぃぃっ!!地面が遠い……っ』
私はこの高さにどうやって着地するかで頭の中がいっぱいです。
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美穂(プロフ) - 凄く続きが気になります (2022年12月1日 22時) (レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 面白かったです!! (2021年10月10日 16時) (レス) @page32 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして!お話面白かったです!更新しないのですか?続きが気になります! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
床に落ちてるゴミ - あれ?更新しないのですか?とても面白かったので続きが読みたいです! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
日和 - 凄く面白かったです!ヽ(*´∀`)ノ続きが気になります!ゆっくりでいいので更新待ってます! (2020年9月4日 15時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年6月27日 23時