花弁がろくじゅうろく ページ31
◇◆
「静かになさってください!!」
蝶屋敷に入ると、女の子の怒鳴り声が聞こえた。口調の感じからして、アオイちゃんだろうか。
部屋の中には善逸は勿論、隠の人におんぶされている炭治郎がいた。アオイちゃんが善逸に何やら怒っている。
『あのー、すみません』
声をかけると、全員が振り向いた。アオイちゃんが近づいてきて、何ですかと聞いてきた。
『私も、蝶屋敷に行くようにしのぶさんから言われまして、』
「!!直ぐに、止血しますのでそこに座ってください」
せっかく、カナヲちゃんから貸してもらったハンカチも意味をなさず真っ赤に染まっている。そんな私の状態を見て、アオイちゃんがテキパキと救急箱を持ってきた。
「A!!俺を庇ったばっかりに……ごめん!!」
「うわぁぁっ!!なんで、Aそんな大怪我してるの?!大丈夫なの?!ねぇ!!」
私の腕を見た途端、炭治郎は泣きそうな顔で謝り、善逸は青い顔で叫び出した。ｰｰ2人の方がよっぽど、重症に見えるよ？？
『私なら大丈夫。血が出てるだけで、痛みはそんなに無いし』
「折れてますね」
『エッ』
アオイちゃんが手当をしながら真顔で言ったことに固まる。どうりで、痛みも感じないわけだ。
「まぁ、でもこの中なら1番軽傷ですが。暫くは、安静にしといてくださいね」
それもそうだろう。私の記憶が正しければ、他は顎打撲に蜘蛛化で縮んでたり、喉潰れてたり……私なら気絶レベルの重症具合だ。
それでも、2人はまだ私を申し訳なさそうに見ている。しょうがない。この2人はどうしようもなく優しい人だから。
『ありがとう、守ってくれて』
気にしないでなんて言葉は逆効果で、素直に感謝を伝えるべきだと思った。
私の言葉に2人が、嬉しそうに笑ったので正解だったのだろう。安堵でホッと息をついていると、突然視界が暗くなった。
「俺の方こそありがとう!!ごめん、妹が鬼ってこと隠してて……Aのおかげだ、ありがとう！」
上から炭治郎の声が聞こえて、抱きしめられたのだと気づいた。ｰｰおんぶされてたのに、どうやって抱きしめたの。凄いな？
「おいコラ炭治郎!!なに、さりげなく抱きしめてんだよ！羨まし……離せよ!!」
それに善逸が叫び声をあげて、アオイちゃんに怒られたのは言うまでもない。
◇◆
短編で1つ話を作ったので見ていただけると嬉しいです！
俺達の愛しい太陽【鬼滅の刃】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2878人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「鬼滅の刃」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美穂(プロフ) - 凄く続きが気になります (2022年12月1日 22時) (
レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 面白かったです！！ (2021年10月10日 16時) (レス) @page32 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！お話面白かったです！更新しないのですか？続きが気になります！ (2020年9月8日 23時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
床に落ちてるゴミ - あれ？更新しないのですか？とても面白かったので続きが読みたいです！ (2020年9月7日 18時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
日和 - 凄く面白かったです！ヽ(*´∀｀)ノ続きが気になります！ゆっくりでいいので更新待ってます！ (2020年9月4日 15時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょこもち | 作成日時：2019年6月27日 23時
