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花弁がよんじゅうはち ページ12

◇◆


「A?」

『だって、炭治郎が危なくなっても私助けられないよ!?弱いもん!!』


何も言わない私に炭治郎が顔を近づけてきた所で、我に返った。

(ネガディブ思考ダメ絶対!!ポジティブ考えて生きなきゃね、うん!!ネガディブになった瞬間、人生終了しちゃう世界だしね!!)

有難いことに炭治郎は私の冗談に納得したのか、


「あぁ、そういうことか!大丈夫だよ、俺がAを守るから」


柔らかく笑った。ーーそういうことじゃないんだよなぁ。鬼殺隊って、自己犠牲以外の言葉知らないのかな?


『ほんっと、炭治郎イケメン……!!誇りも恥も捨てて、遠慮なく頼るね!!』

「あぁ!任せてくれ!」


(そんな君に辞めてとは、言えない私も大概だ)


「ギャアアアアッ」


その時、耳を劈くような叫び声が聞こえ、炭治郎が声のした方に向かう。

さっきまで、ごちゃごちゃ考え込んでいたせいで忘れていたのだ。”あの鬼”がいることに。血の匂いと息が詰まるような空気、そして


「何見てるの?見せ物じゃないんだけど」


冷たい威圧的な声にやっと、思い出した。思い出した瞬間、全力でこの場から逃げ出したくなる。だって目の前、十二鬼月だし。

”姉役”の鬼が痛いのか涙を流す姿を見て、炭治郎が怒鳴った。


「何してるんだ……!!仲間じゃないのか!!」

「仲間?そんな薄っぺらなものと同じにするな」


塁くんにとって、大事なのは家族の絆なのだ。炭治郎の言葉に表情を変えず、淡々と累くんが話す。


「余計な口出しするなら刻むから」


(ひぃ!!や、やっばり十二鬼月やばい、怖い)

私が言われた訳でもないのに、思わず体が震えた。威圧されただけで、びびった私を他所に炭治郎はズバズバと言ってのける。

匂いに敏感な炭治郎ならすぐに気づくだろう。
怖と嫌悪で塗り固められた、家族”ごっこ”に過ぎないことに。でもね?


「こんなものを絆とは言わない。紛い物……偽物だ!!」


(お願いだから、地雷を綺麗に踏み抜いてかないで!!)

さっきまで、胃が潰れそうな程酷かった圧迫感が更に増した。今度こそ吐くと思っていると


「お、丁度いいくらいの鬼がいるじゃねぇか」


パッツン前髪の鬼殺隊の人が、奥の森から出てきた。多方、隠れて生き延びていたんだろう。

この殺伐とした空気が察知出来ないのかよく喋る。ーーある意味、メンタルすげぇよ。私、もう泣きそうよ?


「だめだよせ!!君では…」


炭治郎の静止の声も聞かず、パッツン君は無謀にも累くんへ向かった。

花弁がよんじゅうきゅう→←花弁がよんじゅうなな



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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生トリップ , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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美穂(プロフ) - 凄く続きが気になります (2022年12月1日 22時) (レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 面白かったです!! (2021年10月10日 16時) (レス) @page32 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして!お話面白かったです!更新しないのですか?続きが気になります! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
床に落ちてるゴミ - あれ?更新しないのですか?とても面白かったので続きが読みたいです! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
日和 - 凄く面白かったです!ヽ(*´∀`)ノ続きが気になります!ゆっくりでいいので更新待ってます! (2020年9月4日 15時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年6月27日 23時

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