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業『奥田さん…奥田さん…！』
皆が集まっている方へ目を向けると、業が愛美ちゃんの肩を掴み前後に揺らしていた。
しっかりしろ、とでも言うように。
だけど愛美ちゃんはボーッとしたままで。
メグ『奥田さんってば！』
メグが大きな声で呼びかけると愛美ちゃんと…そして、橋本が反応した。
橋本『奥田？』
っ…駄目だ、愛美ちゃんがここに来ているのがバレたら…！
私は業から愛美ちゃんを奪い、木の裏へと移動する。
愛美『Aさん、どうかしました？』
「…愛美ちゃん、じゃない。今のあなたは愛美ちゃんなんかじゃないよ。」
愛美『え？何を言ってるんですか。』
淡々と話す彼女に僅かながら恐怖を覚える。
彼女の光の宿っていない目、業の言っていた突然おかしくなった態度…それを見ると恐らく彼女は"洗脳状態"になっているのだろう。
原因は紛れもない、橋本だ。
ギリッと奥歯を擦り合わせる音が脳に響く。
悔しい…愛美ちゃんがおかしい事に気付けなかった。
昨日、あれだけ話したのに。
「っ…ごめんね、愛美ちゃん…。」
ぎゅっ、と愛美ちゃんを抱き締める。
すると隠れていた木がスパンッと真っ二つになりこちらに倒れてきた。
反射的にそれを避ける。
勿論愛美ちゃんも一緒に。
それを見た橋本は笑う。
しまった、愛美ちゃんが…！
そう思った時にはもう遅く。
私達の前まで来た橋本は触手で愛美ちゃんを縛り、抱き締めたまま再び上へと飛び上がった。
「愛美ちゃ…！」
橋本『おい。この触手の再生機能、お前知ってるだろ。早く教えろ。』
愛美『…これを打てば。』
愛美ちゃんが橋本のポケットから取り出したのは、昨日私が刺されそうになった注射器。
ほぉ、と感心した橋本は躊躇なく自らの首に刺す。
だけど触手は回復しなかった。
それに苛立ちを覚えたのか、予備の注射器を6本ほど取りだし、全てを首へと刺した橋本。
…なんだか嫌な予感がする。
カエデが体を張って私達を守ってくれた光景がフラッシュバックしてきた。
2代目死神のように…ぶくぶくと膨れ上がった体にたくさんの触手…。
烏間先生を帰らせたのは間違った選択だったかもしれない。
アイツを倒せたのは殺せんせーだった。
今となっては何も持っていない私達に何が出来る？
唖然とする私達を他所に、橋本はもう人とは認識できないほどになっていた。
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ヒヨコ(プロフ) - ホントにおもしろかったです！次の作品も楽しみにしてます！ (2020年6月14日 19時) (
レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 夢主のファーストキスってビッチ先生なんじゃ (2020年6月1日 18時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
Mocha(プロフ) - 面白かったです！ (2020年5月13日 21時) (レス) id: 87128bc86a (このIDを非表示/違反報告)
くるみっこ - あのすみません、16の、カルマのセリフの「どうやらちがうみたい」が「どうやるちがうみたい」なってますよ。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: 65e7743a54 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - *利茄*さん» 何の小説ですか？題名、教えて下さい！ (2020年5月4日 12時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セツ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月3日 17時
