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「っはぁ…はぁ…。」



どのくらい走っただろうか。



近くの看板を見ると、『米花町』と書いている。



こんなとこまで走ったのか…。



ふと目に入った廃ビルに入る。



…壊してる途中なら、いっそ私に気づかずに壊して欲しい。



生きてる価値なんかない。



本当は母さんと父さんが居なくなった日にこうするべきだったんだ。



だけど、いつまで経っても工事は再開しなかった。







「暗くなってる…。」



いつの間にか眠ってしまっていたみたいで、周りは真っ暗だった。



起き上がった体は、自然に上へ上へと足を運ぶ。



ヒュウゥと風が吹く場所に来た。



そこは元々の屋上。



4階建てくらいのビルみたいだったから、ここから飛び降りたらすぐに母さんと父さんの元へ行ける。



「後悔なんて、無い。」



私は可哀想なんかじゃないんだ。



1歩、また1歩と前に足を出す。



ギリギリのところに立ち、目を閉じた。



楽しかったな。



母さん、父さん、今行くからね。



私は、体を下に投げ出した。



??『っ…何やってんだ!?』



ドサッという音が正しいのだろうか。



私はいつまで経っても下には落ちなかった。



その代わりに、空を飛んでいる。



…え?



「な、にが起きたの…。」



??『こっちのセリフだ!自分から命を無駄にすんな!』



…なんで私怒られてるの?



身を捩って顔を見上げると、今巷で話題の怪盗キッドさんだった。



「怪盗、キッド?」



キッド『家は?』



「へ?」



キッド『だから、家は!?』



「…無い。もう、無いよ。」



あの家に私の居場所なんてない。



キッド『あー…じゃあ俺ん家来るか?』



「は?」



怪盗が一般人を自分の家にあげていいわけ?



キッド『そうと決まったら行くぞ。』



「ちょ、待ちなさいよ!!」



この日初めて空中浮遊の旅をした。



…死にかけたけど。

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ピコピコハンマー - 「気をつけて」は「を」です!とっても面白い作品です!これからも頑張ってください!! (2021年6月19日 9時) (レス) id: a1310badd0 (このIDを非表示/違反報告)
魔理華 - 楽しみに待ってます! (2019年7月15日 20時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 魔理華さん» ありがとうございます!頑張りますっ! (2019年7月13日 0時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
魔理華 - 面白かったです!続きが気になります!更新頑張ってください応援してます (2019年7月12日 7時) (レス) id: 28703d16e4 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 黎夢さん» ご指摘ありがとうございます!当方あまり弓道に詳しくなく、調べた限りの事で更新しておりました…。良ければ、改善点を教えていただけないでしょうか? (2019年7月8日 10時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セツ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月25日 11時

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