◆桑の実 �� O×N ページ6
＊ふたりで楽園へ…
門が開く音がして
あぁ
俺の和也が来たんだと知らせる音。
和也が来たとき用に用意したワインをテーブルに置いた。
白い粉を溶かして…
あれからすぐに和也からそして翔くん…
俺のことを知ってるすべての人からいなくなった。
親父…といっても金だけ与えられてほとんど顔も合わせないやつの俺は言いなりになることにした。
人形。
この数年俺は生きているようで死んでいた。
和也のためだといいながら俺はこんな有様で
こんなんで生きている意味なんてあるのか…？
柄にもなくそんなことを考えていた。
すべてを捨てたのに…
言われるがまま愛情もなんもわかない女との結婚が進んでいた。
「はぁ…あいてーな。和也…」
自分から離れたくせにわがままにもほどがあるか…
でも
どうしても
和也…
俺はほかの奴らにわからないように翔くんにだけ届くように招待状を送った。
それに気づいてもし…
もし和也がきたら
俺は
和也のすべてを俺がもらう
「はぁ…この世に未練なんてないな…」
あるとするなら和也のことだけだ。
和也だけが俺のすべてなんだ。
そばを離れてから俺はこんなに和也だけだったことに気づくなんて…
「ここまでこないと、そうできなかった俺は、本当に馬鹿野郎なんだな。」
扉が開いた音に振り返ると
俺と同じ馬鹿野郎がそこに立っていた。
「智っ！！！」
あぁ俺の愛しい人。
・
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作者名：REN | 作成日時：2020年4月17日 11時
