◇月下美人 5 ページ32
「俺が…まだ一緒にいたい…いい…かな?」
水分の含んだ瞳が揺れ
でも嬉しそうに…
というのは俺の願望かもしれないけれど
コクンと頷いてくれた
素早く荷物を片して
君の隣に並ぶ
いなくならないようにと
君の手に触れ
逃げられないように
指と指を絡めて繋いだ
嬉しかったのは
ゆっくりとだけど
握り返してくれたこと
その手のひらは
腕の華奢さとは違い
ぷにぷにと柔らかく
なんだかいけないものに
触れてしまってるような感覚になった
「どこ?送るよ?」
「……あの…」
「うん?」
「僕も…一緒にいたい…あの……えっ…と…ふっ…二人に…なり…たい」
最後の方は
消え入りそうな声で
そのまま
ぎゅっと強く手を握られた
.
ふたり?
えっ…
今も…ふたり…
え?
え?
そーいう意味?
俺誘われてる?
いや
うん。
え?
いいのか?
一瞬の葛藤…
でもすぐにそんなものも消え
さっき感じた消えてしまいそうな君を
自分のものにしたい
守ってやりたい
包み込んでやりたいという
そんな気持ちが勝った
男だということは関係なく…
10分ほど歩くと見つかる
数件のいわゆる
ナニをする場所に俺たちはむかった
向かう途中いつもなら
気にしないものに目がいった
そこに
月明かりに照らされてた
白くて小さな花が咲いていた
.
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作者名:REN | 作成日時:2020年4月17日 11時