対戦ファイト! ページ6
〈運動場〉
ランドルフとクルーウェルが対戦すると聞いて1-Aの授業なのに、生徒は全員授業をさぼって観戦に来た。なんなら教員も観たいと思っているので黙認されている。トレインですら授業に誰も出てこないので仕方なくふたりの試合を観に行くことにした。恐らく全生徒課題が3倍になるだろう。
「ラギー、お前どっちが勝つと思う?」
「オレ?マァ担任なんでランドルフ先生応援しよっかなぁ。ジャミル君はどっちにいくら賭けます?」
「……俺はクルーウェル先生に500マドル。」
「ナルホドっす。俺もそのくらいにしとこ〜っと。」
NRCは治安悪いので勝負事になれば平気で賭け事が始まるし、それは教師だってそうだ。バルガスは1万くらい使ってランドルフに賭けているし、懸けている。
今のところクルーウェルに賭ける者の方が多いらしい。ケイトはもちろんランドルフに賭けたし、フロイドもランドルフに賭けている。アズールはまだ迷っているようだった。どちらも優秀な魔法士と知っているからね。
学園長はクルーウェルにバルガスと同じだけ賭けた。これはランドルフとクルーウェルの対戦なのにバルガスと学園長の戦いでもあった。
「ん"んっ、おほん!それでは防衛魔法の実践対戦を開始します。時間は5分です。ユニーク魔法の使用は反則とします。」
寮長を決める決闘と同じく、学園長の立ち会いのもと、対戦は開始される。今回はユニーク魔法を使うと生徒に見えなくなってしまうのでお互い使うのやめようという約束になった。
ランドルフはいつも通り着古したヨレヨレの絵の具で汚れたツナギで、手には珍しく杖を持っていた。筆の柄の部分のような杖だった。魔法石は指輪についているが、杖を使うことで魔法を放出しやすく、狙いを定めて真っ直ぐ飛ばすことができる。
一方、クルーウェルはいつも通りきっちりと着こなしたスーツにファーコートと杖の代わりに鞭を持っている。
「両者準備はよろしいですか?」
「あぁ。」
「OKでーす。」
「それでは……」
始め!と学園長が叫んだ瞬間にバチ!と閃光がふたりの間でぶつかり、相殺された。比喩ではなく、本当に。
「ジャミル君、、あれ……即死魔法じゃないっすか?」
「あぁ。無詠唱で、即死魔法……開始早々使うって…………」
ガチの殺し合いだった。一歩間違えたら即死。
なんてもん生徒に見せるんだ、とトレインは頭を抱えた。たかがレーズンバターのためだけに。
331人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒューガ(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!書いてからのコメントになり申し訳ない……。続編へ移行しますがこれからもよろしくお願いします! (2023年4月1日 0時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
ヒューガ(プロフ) - ウサギさんさん» コメントありがとうございます!クルーウェル先生とランドルフの関係の進展は今のところ考えておらず、ずっと共依存マブダチで居させておくつもりです。せっかくリクエスト下さったのに申し訳ないです😥クル先生との絡みはもちろん沢山書いていきたいと思っております (2023年4月1日 0時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - お題ありがとうございました…!!男子校で恋バナとか無茶振りしてすみませんでした…。もはやお題を考えるのが楽しみになっているのですが、「失敗した魔法薬を被ってしまい、魔法が使えなくなったランドルフ」を見てみたいです。気が向きましたらお願いします! (2023年3月23日 0時) (レス) @page45 id: 2d3cfb07c5 (このIDを非表示/違反報告)
ウサギさん(プロフ) - いつも読ませてもらっています。この作品が大好きです‼︎僭越ながらリクエストをさせてもらいます。クルーウェル先生との絡みがぜひ欲しいです!2人の関係の進展など (2023年3月22日 23時) (レス) @page45 id: cad591cf8a (このIDを非表示/違反報告)
ヒューガ(プロフ) - miiさん» ありがとうございます😊いいですね、書かせて頂きます!! (2023年3月14日 9時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヒューガ | 作成日時:2022年12月4日 23時