クル先のマブは美術教諭【twst】

終幕ウェンズデイ！ ページ12

〈クルーウェルの部屋〉



シャワーを浴びて出たら何やらいい匂いがした。

クルーウェルが部屋の小さなキッチンでなにか作っているらしかった。

この教員寮、普通に一人暮らしするためのマンションよりも設備が整っている。冷蔵庫だってレンジだってある。普通に共有キッチンも存在するし食堂もあるけれど。

ランドルフが一人暮らししていた時よりも十分過ぎるほど住みやすい。


｢何作ってんの｣

｢軽い飯とツマミ。お前メシ食ってないだろ。｣

｢リンゴ食ったって……｣

｢それは飯とは言わん。｣


クルーウェルが見回り前に風呂に入ったのも風呂を出たら飯ができているのも全部手のひらの上のようだと悟った。

絵だってもうほとんど完成しているし、わざわざ今から逃げて美術室に行く必要なんてないのだけれど素直に言うとおりになるのは癪だった。


結局美味しく頂いたし、ワインもツマミも非常に美味しかった。

くだらないことをダラダラ喋って、ゲラゲラ笑って。

酒にはよく眠れますように、と、
おまじないのような、弱い、魔法がかかっていた。

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