カナヲの兄 弐

53話 ページ3

俺と無一郎は食堂へと足を運んだ。


カナエ「あら、もう出来てるわよ」


エプロン姿のカナエさんとアオイがいた。



『そうですか、なら、無一郎は俺の隣ね』


無一郎「うん」


無一郎は凪斗の隣に腰を下ろした。


『それにしても、カナエさんは元気だな』


無一郎「そうだね」


『無一郎が霞柱になった時にお祝いした時は大変だったな……』


無一郎「そうだね……あれは大変だったよね」


凪斗と無一郎は遠い目をしながら呟いた。


この話はまた今度にして。


『なぁ、カナエさん』


カナエ「なぁに？」


『しのぶは？』


そう、しのぶがまだ食堂に来ていない。


カナエ「あら？凪斗の部屋にいなかった？」


『はい？』


カナエ「昨日もしのぶは凪斗の部屋で寝たのでしょう？」


おいおい、まさか、まだ寝てるとか……


しのぶ「おはよぉ」


しのぶが目を擦りながら食堂に入ってきた。


『おい、まさか、今まで俺の部屋で寝てたの？』


しのぶ「そうでしゅよぉ」


あ、まだ寝ぼけてるな


しのぶはそのまま凪斗に抱きついて胸に顔を埋めてぐりぐりし始めた。


しのぶ「凪斗ぉ……」



しのぶ「凪斗のぉ、においがぁ、おちつくなぁ」


『え？』


カナエ「あらあら」


無一郎「へぇ……」

しのぶの予想外な行動に凪斗は戸惑い、カナエは微笑み、無一郎はニヤニヤしていた。


そして、その後、しのぶを目覚めさせたが顔を真っ赤にして俺の隣にちょこんと座った。


カナエ「じゃあ、皆、揃ったわね」


カナエが手を合わせると皆が、手を合わせる。


カナエ「いただきます」


皆「「「『いただきます!!』」」」

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