脣星落落.3 ページ34
分かっていたが、暗い表情をするAに慌ててきちんと自分の思いを伝えた。
蒙恬 「授かり物だから…出来なくてもいい。
Aが望まないなら、
無理にとは言わない。
でも、二人で頑張ってみない…?
俺とAの子供なら、
きっと中華一可愛いと思うんだよね!」
A「望まないわけない…!
…私だって、恬の子どもが産めたらって
ずっと思ってたの…///」
顔を真っ赤にして、聞かされた彼女の本音に
飛び上がるほど嬉しくて、思わずその身体を抱きしめた。
蒙恬 「…嬉しい。
もう一度、先生に相談しながら
二人で頑張ってみよう。
…俺も今まで以上に、頑張るから」
不甲斐ない自分のせいで、
いつまでも彼女を待たせるわけにも行かない。
一日でも早く将軍になって、
Aと正式に結婚する。
まぁ…父上も何だかんだAを気に入ってるし、
このまま既成事実を先に作ってしまってもいいと思うずる賢い自分もいる。
Aはその「頑張り」を違う意味で受け取って
とっさに赤くなる。
幾度となく肌を重ねても、
まだ恥ずかしさが抜けなかった。
A「じゃあ、私も…が、がんばる!」
真っ赤になりながらも、
きっと可愛い勘違いしている彼女が、
本当に愛おしい…。
しぼんでいた気持ちも、Aがいるだけで
立ち上がって、また歩いていけそうだ。
蒙恬 「大好きだよ…A。
お前が居てくれるだけで、
俺、……生きてて良かったって思える」
そう笑う蒙恬を見て、
少しでも元気なってくれた顔が
Aにとっても嬉しかった。
⭐⭐
蒙驁危篤から四十九日を経てようやく城の中も落ち着いてきた頃、Aと蒙恬は、咸陽いる有名な医師の元へ診断に来ていた。
「良薬口に苦し」と言うが、
本当に苦い薬を毎回飲まされるので、
正直Aは涙目である。
それでも頑張れるのは、戦がない時は
必ずと言っていい程、
蒙恬がそばにいてくれたからだった。
帰り道、咸陽の繁華街を通って
色んなお店を2人で見るのが決まりになっていた。
新しい物好きな蒙恬は、Aの手を引っ張って
楽しそうに連れて歩く。
蒙恬 「Aっ!この簪、
すごく似合うと思うんだけどどう?
Aは色白だから、
こういう艶やかな色も似合うよ!」
A「…くすぐったいよ!
でも、ありがとう」
店主 「おーおー!
別嬪(べっぴん)さん連れてお出かけかいっ!
兄さんも隅に置かないねー!」
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夏目 - 私も蒙恬推しなんで嬉しいです。もし蒙恬の子供ができた話も見てみたいです (2021年10月31日 7時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月19日 10時