月下美人の君【蒙恬ルート.2】 (ページ4)

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誤解.2 ページ4

麗は三人で座って話すと、必ずと言っていい程、母である向ではなくAの膝に座った。

好いてくれる麗の黒髪を撫でる。

…母親とその友人が、まさか「自分も撫でられたい」など思ってるなんてつゆ知らず。

向「そういえば…Aさんには、
心に決めた人がいらっしゃるんですよね？

…確か、名家の……(えっと、名前…)」汗

陽「蒙家の嫡男の方ですよね！
(向ちゃんの馬鹿！)」

A「えっ！…ああ、そうです。

実は幼馴染で…///」

急に恬の話題が出ると、思ってなくて
思わず恥ずかしくなってしまう。

…真っ赤になった乙女の顔も、
また可愛くて二人の心にズキュンと矢が刺さった。

向・陽「「どうやって結ばれたか
お話聞きたいですッ！！」」

鼻息を荒くする二人に、「あはは…」と
困り顔のA。

麗「ダメだよー！Aは、麗と結婚するの！
Aを取る奴は、死罪ッ！！」

ピッと得意げに腕をあげる少女を見て、
なぜか幼い日の政の姿を思い出して、
笑ってしまう。

…そんなAとは打って変わって、
「どこでそんな言葉覚えたの！？」と
慌てること二人がいた。

膝にいる可愛らしい少女を撫でていると、
いつか自分も蒙恬との子供を…と想像してしまう。

A「…(恬との子……。
絶対可愛いだろうな～)」

愛しい人の子供が産める喜びなんて、
正直今まで考えた事もなかった。

闘いの日々から、
救い出してくれた蒙恬に心から感謝する。

ふと…幸せを噛み締めていたら、
腹部に違和感を感じ、突如激しく痛み出した。

A「…ッ！……」

斬られるとも殴られるとも違う、
内側からの痛みに耐えかねず、
お腹を抑え、地面に倒れこむ。

麗「…ッ！Aちゃん！！」

泣きそうな麗の声にも、反応できず
額には玉のような汗が滲み出す。

向・陽「大変ッ！…Aさん！！」

二人の叫び声が遠くに響くように、
そのまま気を失った…。