雨過天晴.4 ページ32
論功行賞も無事終わり、昇級した信にお祝い事を言いに近づく。その間にも、師である昌平君や千人将時代同僚だった壁や、他にも昌文君や政にまで呼び止められた。
…その様子をジッと見つめる王賁。
腕を組んで彼女の帰りを待っていたが、
他の男と楽しそうに笑うとAを見て、
自分でもコントロール出来ないほど感情が高ぶり、
心中穏やかにいられない。
群がる様に言い寄ってくる男達に、笑顔で近づく彼女にも怒りを覚えるほどに…。
王賁が嫉妬に取り憑かれてる事など知らず、
久しぶりの再会と、亡国の危機を脱した喜びで
普段より舞い上がってしまうA。
周りの男達も、彼女に想いを寄せるあまり
ついつい話し込んでしまった。
ひと段落して出口に向かうと、
恋人となった王賁が一人待っていてくれる姿が見える。
口下手な彼だが、そういった優しさが
Aにとってはすごく嬉しくて、彼と恋人となれた自分が信じられなかった。
もう外は夜。
肌寒いこの季節を表すように、風が冷たく頬を撫でた。
A「賁…！ごめんね…
待たせちゃったかな……っ？！」
下を向いていた顔を覗き込むと、
その顔は血管が浮き出るほど怒りに満ちていた。
(怒ってる)と一瞬で理解出来たが、
自分が何かやらかしてしまったか…？と必死に記憶を辿る。
A「寒かったのに、ごめんね…？
先に帰ってくれれても良かったのに…」
やはり話しすぎてしまったせいだろうか…。
とりあえず、謝ってみて彼の気持ちが落ち着けばいいと思った。
王賁 「………ばかりなのか」
A「…え？」
やっと口を聞いてくれた…！と喜んだが、
次の展開に地獄に落とされることになる。
王賁 「お前の周りは
男ばかりしかいないのかと言ってるんだ」
A「…そ、そんなこともないんだけど」
女の身で戦場に出て、ましてや五千人将のAにとって必然的に男が周りに多いのはしょうがないと思った。
でも…胡蝶隊の兵士や、飛信隊にも女の知り合いはいるし…と王賁には、見当違いなことを考えていた。
はっきりしないAの態度にイラつき、
その細い手を無理やり掴んで歩く。
彼女をもうこの場に置いておきたくなかったのが本音だ。…子供の様に我が儘な感情をぶつけているだけだとしても。
これ以上刺激しないように、
大人しく従っていたAだったが、連れてこられたのは王家・宗家の王賁の部屋だった。
ーーーーー
雨過天晴：悪かった状況や状態がよいほうに向かうたとえ。
Only you can make me happy or cry→←雨過天晴.3
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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん！ありがとうございます！嬉しいです。頑張って更新していきますね！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています！！頑張って下さい！！ (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます！さあやさんの作品も大好きです〜！ (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ！更新楽しみにしてます〜！！ (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月13日 23時
