仲直りの方法 ページ4
王賁の血管がピキピキ…と音を立てる姿を見て、
蜘蛛の巣を散らすように離れていく兵士たち。
事の張本人であるAは、
「これで、ちゅうか最強…むにゃむにゃ…」と
気持ちよさそうに寝ている。
隣で同じように床に突っ伏していた番陽が、
ただならぬ気配に目を開ける。
王賁 「番陽副長。
…お前がついていながら何をしている。」
それは、眠気も吹っ飛ばす破壊力だった。
番陽 「ほ、ほっ、賁様ッ!!
…な、なんたること!!この失態、
腹を切ってお詫びを…」
バタバタと騒がしく起き上がったせいか、隣で寝ているAにぶつかり、
気持ち良く寝ていたのを邪魔されたせいか、眉毛が八の字になる。
それでも、酒樽を抱き枕にして
王賁の殺気を浴びても起きないのは、この少女だけだった。
A「……ほん……くん、…」
王賁 「……………!!」
A「ぉうほんくん……ごめんね…」
酒樽を王賁と思っているのか、抱き締めながら
なんと目からツーと光る涙を流していた。
それを見た瞬間、王賁の胸はいっぱいになった。
謝る番陽を無視して、Aが抱きしめる酒樽を剥ぎ取り、
これ以上他の男に見せたくない…というかのように、優しく抱き上げる。
急に体が宙に浮く感覚に、
うっすらと目がぱちぱちと動くAだが、まだ焦点が定まっていなかった。
それでも王賁の腕の中で、
再びスヤスヤと寝息を立てる。
…その純粋な存在が、とても愛しい。
王賁 「……今日はもう休む。」
そう言ってAをお姫様だっこしながら、
自分の部屋に連れ行く後ろ姿を見て、番陽は嬉し泣きをするのだった。
番陽 「ついに!!やりましたな。賁様ッ!!泣
…明日は赤飯だ!赤飯を炊けっ!」
⭐⭐
夜も深く、こんな酔っ払った状態の彼女を帰す訳にもいかず。
自分の寝室に戻ってきたはいいが……
とりあえず彼女を横に寝かせる。
寝かされた彼女は、
その美しい髪を撒き散らしながら、寝台に横たわる。
アルコールの摂取のしすぎか、ドクドクと血管が流れ、
心臓が激しく動いているのが見て取れた。
小さな唇からは、吐息が漏れ
首元から流れる汗が色っぽい…。
上下する胸から目線を下げれば、短い丈から
大胆に露出された健康的な足が目に入る。
王賁自身もゆっくり眺めるように、
眠るAの横に腰を下ろした。
すると…眠り姫の瞼がぱちぱちとうっすら開く。
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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん!ありがとうございます!嬉しいです。頑張って更新していきますね! (2020年10月15日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています!!頑張って下さい!! (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます!さあやさんの作品も大好きです〜! (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ!更新楽しみにしてます〜!! (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月13日 23時