検索窓
今日:1 hit、昨日:17 hit、合計:63,412 hit

真実の愛 ページ26

先ほど、抱き締め合った際に乱れた王賁の髪。

今は、いつもつけている髪留めを外して

長い髪を下ろしている。


着物姿に重なり、その普段と違う格好は…

彼をより大人っぽく魅せた。


見惚れているAに、


自分が肩にかけていた着物を、寒くないように


彼女に羽織らせる…。



ふわっと包み込まれるように被せられた着物は、

自分より大きくて


王賁の香りがした…。



まるで王賁に抱き締められているようで、


心まで温かくなり、


Aは幸せな表情を浮かべた。


…その顔に、今度は王賁が胸がきゅんっと動く。






思わず衝撃的に、Aの手を引っ張り、


自分の方を引き寄せて、囁く。


周りの集まる兵士など関係なかった。



月明かりが、二人を照らす中


…意を決して、 王賁が口を開いた。




王賁 「A…この戦が終わったら、




俺と結婚してくれないか……?




…一生、お前を幸せにする」




A「……っ!!…」



それは夢みたいな言葉だったが


熱く真剣に見つめられた王賁の目が


本気だと教えてくれた。




言葉を紡ぐよりも先に、頬に涙が伝う。



瞳にいっぱい涙を浮かべながら、



それでも月明かりに微笑む彼女は、



きっと世界で一番、美しい…。





A「はいっ…喜んで……っ」





やり遂げなければならない責任は、


この世に生まれ落ちた瞬間から山ほどあった。


責任も重圧も、この生を受けた時に

宿命として決まっていた。



だが…



自分から何かやりたいと

心の底から思った事は、…ほんの僅か。



その中でも、

命に代えても守るべき大切な宝物を手に入れた。




…俺の、一番大切な女性(ひと)。





王賁 「ありがとう、A……


これ程、幸せを感じたのは生まれて初めてだ…」







番陽 「ッ!!……ほ、賁様ッ!!


ふぐぅぅぅッッッ!!ついに!ついに…!


A様とッ!!」



兵士 「若君とA様がついに結ばれたぞッ!

よっしゃァァァッー!!」



兵士 「「「若君ッ万歳!A様ッ万歳!」」」





王賁・A「「………ッ!!」」



そこには、二人だけの世界から


歓声を受けて現実に呼び戻され、

驚いた二人の顔があった。


周りはいつの間にか玉鳳隊の兵士達が、

泣き叫びながら二人を祝福していた。


初陣の頃から、王賁と戦場を

共にしてきた彼らにとって



その知らせは何よりも

嬉しいものだった。

愛月撤灯.3→←愛月撤灯.2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
設定タグ:キングダム , 夢小説 , 王賁
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん!ありがとうございます!嬉しいです。頑張って更新していきますね! (2020年10月15日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています!!頑張って下さい!! (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます!さあやさんの作品も大好きです〜! (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ!更新楽しみにしてます〜!! (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月13日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。