心の声 ページ13
見合いの話が来たのは、母上が以前いた名家からだった。王一族・総本家の跡取りして、自分も名家の女と結婚して子を為さねばならない。
これも重要な責務だと認識している。
…だが、心に決めた女がいた。
ずっと昔から想ってきた娘、A。
初めは父親の為に、武術を磨く彼女に
自分の姿を重ね…その存在に興味を持った。
Aを知れば知る程に
見かけの美しさだけでなく、心に惹かれた。
誰にでも平等で優しく、か弱い女の身でありながら
男でも弱音を吐く地獄で、一人立ち上がって彼女は立ち向かい続けた。
その意思の強さや輝きから、いつの間にか
目が離せなくなった。
小さい頃から、Aと共に成長し
気づければこんなに長い間
彼女を想い続けてきたーーー
いつの間にか、少女から女性へと
大人なっていくAを見て、
王賁もまた男として彼女を
独占したい気持ちに支配されていった。
王賁 「……俺は何をやっているんだ」
女の涙は嫌いだ。
だか、泣くAに何もしてやれない自分が
より嫌いだ。
見合いなんて山のように来ていてる。
だが、Aだって同じことだ。
まだ将軍という道の半ばで、
色恋や妻を娶る気などさらさらなかったが…
同じ幼少期を過ごした蒙恬とAの
先ほどのやりとりが耳から離れなかった。
A「ん。…恬だいすき」
蒙恬 「…俺も」
心がえぐられるようだった。
Aは泣くといつも蒙恬の所に行く。
あいつには、俺よりも口が回って
女の気持ちを理解してやる術を持っている。
…生憎、俺に持ち合わせてない。
三人でいても、昔からあの二人には
切れない絆があることは知っていた。
Aが蒙恬を選んでも仕方ないことだと
思っている。
…いや、思っていた。
王賁 「A、俺は
今回の見合い、受けようと思っている」
あれは、完全に嫉妬に狂った愚策だ。
…少しでもAに俺を求めて欲しかった。
俺がお前を求めて止まないように……。
王賁 「………くそッ」
いつからか、
お前を想う気持ちが純粋でなくなったのか。
Aが好きで、
他の男に渡したくない…。
だが、彼女が蒙恬を選んだのであれば
俺はそれを受け入れる。
俺は…Aの幸せを願って
そばでその存在を守るだけの男でいい。
…お前を悲しませるもの全てから
守ってみせる。
だが、最後に「さよなら…」といった
彼女の悲しい顔を見て
自分がこれ以上関わるのは止めよう…と決意した。
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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん！ありがとうございます！嬉しいです。頑張って更新していきますね！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています！！頑張って下さい！！ (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます！さあやさんの作品も大好きです〜！ (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ！更新楽しみにしてます〜！！ (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月13日 23時
