裏マネの業務。 **

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なんか痛痒いなーっとは思ったけど、あの野郎…



赤葦にイライラしながらテツと家に入ると









「……ちょっと」



「まぁ玄関で立ち話でもしよーぜ、不審者サン」



「お前が言うのかトサカ男」









立ち話してたら後で研磨来るんじゃないかな





そんな事お構いなしなテツは、私に近づいてその器用な指先で私のマスクと眼鏡を指に引っ掛け外す









「…すげえ詐欺っぷりだなオイ」



「毎回ケンカ売ってんのそれ」



「勝てないケンカは売らない主義なんで」



「それがケンカ売ってるって言うんだよ」









もうその発言自体ケンカ売ってない？ていうか何なら顔からして喧嘩売ってる気がするんだけど




私を玄関の扉に追いやるテツを睨み上げる











「…なに、この超至近距離。」



「やっぱ腹立つわ、このマーク」



「私の意思じゃないから言っとくけど」









私の首筋をジロジロ見ては、ハッ！と嘲笑うテツ。




その笑い方が不機嫌の最高潮を示していることは、私は知ってる。









「…こうなんない様に色々やってたのに、意味ねぇな」










微熱っぽいその目で見られて、どうにもこうにも動けない



テツが悔しそうにする理由が、まだ確信できない











「……今からバカな事言うけど」


「大丈夫だ、お前はバカな事しか言って……いて」


「何でここで空気崩してくんの」












アホなのこのトサカ。つい反射で足踏んだ私も私だけど……













「テツはさ、」



「何？」



「何で私にこの格好させるの、テツはどうしたいの？」













テツの行動に裏があるのはわかってる。襲われ防止だけでここまでさせるのは変だし。




綺麗な琥珀色の瞳孔が揺れて、



私の肩に顔を埋めるテツ。








・








「ーーーー…''メチャクチャにしたい''」



「……それは、あっちの意味で、」



「ちげーよこのスケベ野郎俺に何するつもりだよ」



「あんたの言い方が紛らわしいんでしょ！？」









この状況とかで言われたらそうなのかなって思った私が可笑しいのかオイ









「この関係とか、そういうの引っくるめてメチャクチャに壊したいだけでお前自身じゃねえよ」



「…よく分かんないわ」



「あ、そ。」












ふ、と穏やかに笑うテツを見てると



不意に着信音が鳴り、テツの笑みが冷たくなる









「……あ、かあし、」



「…出れば？」

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