モブだって可愛いだろうが **

37.モブだって理想がある ページ37

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なんだかんだ試合が始まったはいいものの、1セットめは青城が制した。






とはいえ梟谷も20点台には乗っていたけど赤葦の不調が響いてデュースにまで持ち込めなかった。










それでその後がね。マネージャーの出番なわけで。
















「お疲れ〜、汗すごいよ〜」



「すんません、あざっす！」






「木兎、飛ばしすぎ！体力面考えなよね」



「わあってる！」














…マネちゃんズは選手たちを癒すわけで。














何だろうか、この敵側になって再確認する青春漫画にありがちなキラキラしたマネの支え。






ドリンクの差し出し方も可愛くて、確かにそこにモブがいたら誰だって「ん!?」ってなるわ。青城が正しい反応だわ。
















「来世はああなろう……」













遠い目で大きく頷き、そのままドリンクを手渡す。














「お疲れ様です」




「ありがとー！」




「あっちとの温度差凄くてすみません」




「自分で言っちゃうんだそれ」















なんか罪悪感に耐えられなくてつい。






私よく入部したよね本当…！とか色々込み上げてもはや頭痛すら伴ってきた。














「……あの、及川さん？」




「なーに？」




「ちょっと外出てきていいですか。悟りを開いてきます」




「あ、うんいってらっしゃ…………悟り？」












・











「ふぅぅ……」












扉を開けて少し体育館の外に出る。





落ち着け、荒ぶるんじゃない、モブマネ。



















「ああなりたい人生だっ……たぁあ!?」




「…わ、Aか。」




「ちょっとビックリさせないでよ…！」




「いきなり叫んだ奴に言われてもな。」
















それは申し訳ないと思うけど気付いたら人が丸まってたら誰だって叫ぶわ。

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