ねぇねぇ、あのさ。【東海オンエア】

1番大事な人たち ページ26

sideA


たくさん遊んだ公園、一緒に歩いた道、いっぱい寄り道したマック、たくさん通った彼の家

でもどこにも彼はいなかった

最後の望みをかけて、彼のマンションの隣の部屋である私の家へと向かう

扉をあけて電気をつけると、ベットに座ってこちらを見ているもっとも会いたい人がいた


『りょう、くん』


おいでって言って腕を広げてくれるりょうくんを見て自然と涙が出てくる


り「ほーら、泣かないの」


こちらへ歩いてきて涙を拭いてくてれ、ぎゅっと抱きしめてくれる


『りょうくん、ごめんね、ほんとにごめんね』


り「いいの、こうやってAを抱きしめられるだけで俺は満足だからね」


泣きじゃくる私を優しく抱きしめて頭を撫でてくれる


り「そろそろてつやたち呼ぶから、あとエイジも」


『えいくん、来るの？』


少し不安になってしまいりょうくんを見上げる


り「大丈夫、俺がいるよ」


ガチャって音がしててっちゃんたちが入ってくる


て「おい！俺らだからな！」



そしてまた玄関が開く音がする

えいくんたちが入ってきて、みんなの視線が少し厳しくなる


は「やっほーん、連れてきたよ」

マ「俺らのこと思い出した？」



『当たり前！』



り「なんでこんなことしたか説明してもらってもいい？」



エ「ほんとにすいませんでした」



と「俺ら謝罪が聞きたいんじゃなくて理由が聞きてぇんだわ」



エ「東京で初めてAを見たときに、一目惚れしたんです、そこからずっと片想いしてました

りょうくんが出した動画で記憶障害になったこと知って、チャンスだって思っちゃったんです

病院行って勝手に退院させて彼氏って嘘つきました
最初はすぐに真実を話すつもりでした

でも、Aの笑顔が俺1人に向けられてるって思うとどうしても本当のこと言えませんでした、すみませんでした」


もう近づかないって言ってくるえいくんが寂しそうで、思わず抱きしめてしまった

みんなが驚いてるのがすごいわかる



『今度、コラボしよ？』


てっちゃんたちの叫びは聞こえないふり


『たしかにえいくんのやったことはダメだけど、私ちょっとの間でも幸せだったよ』


えいくんは泣きながらごめんって謝ってはじめくんとマホと帰っていった


り「もう、ばか」


ぎゅっと抱きしめてくるりょうくんに便乗するようにみんなに抱きしめられる


『もう、忘れないから』


て「当たり前やん！絶対だからな！」



『みんな大好きやーー！』

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