【本編】レイスの使者

19話【エドワード】 ページ20

最悪の目覚めだった。
その名前を聞いた瞬間眠気を吹き飛ばし、他の誰よりもゾンビから遠い位置へと移動する。
"片方"からゾンビが来ない事を強く祈りつつ、エドワードはスナイパーライフルを構えた。



全てのゾンビが倒れ、落ち着いた時エドワードはその場に力無く座り込んだ。
安堵からか恐怖からか、手を震わせる。

「大丈夫？」

ふと前を見ると心配そうな顔でレイが立っており、手を差し伸べている。

「…ありがとう、僕は大丈夫」

微笑み手を取り立ち上がると、皆の元へと歩む。
大した怪我人は居ないらしく安心した様子で再び微笑んだ。
直後にジョゼフの言葉が耳に届く。

「皆さんで旅をしませんか？」

周囲が騒つく。エドワードもその一人だった。

「(旅…)」

当初エドワードはこの案に対し賛同はしていなかった。だが、

「(大人数でいれば生存率も上がるし、僕の"片目"の代わりになってくれる人もいるかもしれない。
おまけに全ての"元凶"を見つける事もできるかもしれない、そうしたら、その時は…！！)」

人知れず目を輝かせていくエドワード。
考えれば考えるほど利点が浮かび上がってくる。


「…僕も行くよ、皆でいた方が安全だろうし」

にっ、と微笑みながらエドワードはそう言った。

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