検索窓
今日:24 hit、昨日:82 hit、合計:88,289 hit

ページ9

「嘘でも何でもいいけど、お前はいいのか?それで」
「え……なんの、話?」
「もし俺がソイツのこと好きになっても、いいのかって話」

______玲王が、マナの友達を好きになる。
そうしたら、二人は間違いなく両思いになって、恋人同士になるに違いない。そこまで考えて、玲王が幸せになれるならそれはそれで良いのかもしれない、とも少しだけ思った。それなのに、不思議と湧き起こる得体の知れない胸痛は何なのだろう。

「分かってないだろ。もし、俺が付き合ったら、Aと俺はこうやって二人きりで居られなくなるんだぞ?」
「え?」
「だってそうだろ?俺にもし彼女ができたら、こんなことも出来なくなるだろうし」

玲王の熱い指先が、自分の指先に絡む。合わせられた掌から熱が伝染して、次第に頬に、胸に感染してゆく。更に近づいた距離に息が出来なくなって、その瞳から目が逸らせなくなる。二人だけの世界に閉じ込められてしまったかのように、下界の音も光も、何もかもが今だけは遮断されていた。

「れ、玲王……待って」
「俺はいつまで待てばいいんだよ」

玲王に詰問されて、Aはジリジリと後退った。だが、玲王はどうしても明らかにしないと気が済まないのか、執拗に迫ってくる。
それでも、先程の質問に対しては答えられそうになかった。何しろ、玲王は幼馴染であり唯一無二の存在だ。傍にずっといて欲しいとも思うし、幸せになって欲しいとも思う。今の距離を壊したくないからこそ、決めたくなかったのだ。

「ね、ねえ、どうして、こんなこと聞くの?」
「わかんねえ?俺、結構昔からお前に分かるように接してきたつもりだったんだけど」
「……え?」

玲王の瞳に熱が帯びる。低い声で言い聞かせるような物言いに、Aの全身は石のように硬くなった。

「わかんねえなら、教えてやろうか」

真剣味を帯びながらもどこか熱情に浮かされたような、雄々しい顔つきをした玲王がAにそっと手を伸ばした。
こんな幼馴染の顔、知らない。

「______わ、私、玲王が幸せなら、それでいい!」

Aの直覚がこの流れを断ち切らなくてはならないと脳に命令を下し、気づけば衝動的に声を荒げていた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (377 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
369人がお気に入り
設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , ヤンデレ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黄泉(プロフ) - 七星さん» はじめまして、コメントありがとうございます!またこのお話をお読みくださり、面白いとのお言葉までありがとうございました!🥳 わっかります、むしろ、彼にならどんな手を使っても奪われたいくらいですよね笑 どこかでご縁がありましたら、またお願いします! (2023年2月7日 23時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
七星 - とっても面白くて、一気に読んじゃいました.ᐟどんな手を使ってでも玲王くんなら許しちゃうかもです(笑) (2023年2月7日 22時) (レス) @page34 id: 0897eb2537 (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - 真昼さん» はじめまして、コメントありがとうございます🙇‍♀️続きが楽しみだと言って頂けてとても嬉しいです!あと少しで完結になると思いますので、どうぞもうしばらくお付き合いの程よろしくお願いしますm(__)m (2023年2月4日 11時) (レス) id: fe076a4b2d (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 続きが楽しみです! (2023年2月4日 10時) (レス) @page19 id: 94c427d0c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黄泉 | 作成日時:2023年1月28日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。