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「な、なんで、玲王がここにいるの?」
「俺がいたら都合の悪い理由でもあんの?」
「い、いや、何の用事があるのかなと、思っただけ……」
「別に?今日はお前に用があって来たわけじゃねぇよ」

それなら、一体この家に何をしに来たというのだろう。たしかに両親は玲王のことを娘の幼馴染として認知しているし、彼は家に出入りをしたことが何回かある。幼い頃は、それこそ何度も一緒に遊んでいた。

それにしても、この妙な胸騒ぎは何なのだろうか。
玲王が冷たい声で言いながら、冷笑に似た奇妙な笑みを唇の端に浮かべている。それが、背筋を凍らせるような凄まじい戦慄を覚えさせた。
 
「______まあでも、胸糞悪くもなるよな。俺を振ったAと別の男がデートした帰りに遭遇するなんて」

皮肉めいた声で言われて、Aはドキリとする。
振ったことは確かであるが、こうして菱田の前でそのように言われるのは酷く胸が痛んだ。

「ち、ちょっと待ってくれ。今の言い方は、まるで俺たちに文句があるような言い草じゃないか」
「そんなこと言ってねえだろ」
「じゃあ、御影くんは一体なにがしたいんだ……?何をしに、彼女の家に来た?」

Aが唇を噛み締めて何も言えずに俯いていると、それを察した菱田が代わりに反応して、更に事態は悪化した。今にも舌戦が繰り広げられそうな冷ややかな空気が流れている。
玲王は必死にAを庇おうとする菱田を鼻で笑うと、彼女の方に目を遣った。

「は、そんなん、俺を選ばなかったAを後悔させるために決まってんだろ」
「______は?」

菱田の低い、怒りの混じった声が響いた。一方で、玲王は抑揚のない声で吐き捨てると、怨念を込めた眼差しでAを見つめる。

「れ、玲王、なに、言ってるの?」
「その内分かんだろ。お前は俺無しじゃ生きていけねえってこと」

震える声で尋ねると、玲王は逆境によって乱された心の平衡をなんとか保つように言い聞かせた。
それを聞いていた菱田は、ついに落ち着いて話をすることに堪えきれなくなったのか、Aを庇うように玲王との間に割り入ってきて激した声を上げた。

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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , ヤンデレ   
作品ジャンル:アニメ
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黄泉(プロフ) - 七星さん» はじめまして、コメントありがとうございます!またこのお話をお読みくださり、面白いとのお言葉までありがとうございました!🥳 わっかります、むしろ、彼にならどんな手を使っても奪われたいくらいですよね笑 どこかでご縁がありましたら、またお願いします! (2023年2月7日 23時) (レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
七星 - とっても面白くて、一気に読んじゃいました.ᐟどんな手を使ってでも玲王くんなら許しちゃうかもです(笑) (2023年2月7日 22時) (レス) @page34 id: 0897eb2537 (このIDを非表示/違反報告)
黄泉(プロフ) - 真昼さん» はじめまして、コメントありがとうございます🙇‍♀️続きが楽しみだと言って頂けてとても嬉しいです!あと少しで完結になると思いますので、どうぞもうしばらくお付き合いの程よろしくお願いしますm(__)m (2023年2月4日 11時) (レス) id: fe076a4b2d (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 続きが楽しみです! (2023年2月4日 10時) (レス) @page19 id: 94c427d0c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黄泉 | 作成日時:2023年1月28日 10時

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