アンダルシアに憧れて (ページ9)

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file.3『気の合う相棒』ページ9

Aside

『はい、例のもの』
｢ありがとうございます______ルシア｣

バーボンが運転する白のRX-7へ乗り込み彼の求めていた情報が入ったUSBを渡す。
ポケットから煙草を取り出し火をつける。
それが合図のように車は動き出した。

『そっちはどう？何か手がかりでも？』

奇妙な変装をしてるみたいだけど？と運転している横顔へ質問をする。
彼は赤井秀一の変装をベルモットへ頼んでいる事を耳にしていた。
秘密主義者たちの動きにジンが不機嫌にしていたのを知っている。

｢火傷をした奴の顔を見たFBIの連中はまるで亡霊を見ている反応でしたよ｣
『そう......』

焼死体の指紋と秀一の指紋が一致した事実。
しかし何故右手......?
彼は左利き。それに最後の言葉......。
考え込んでいるとバーボンが私の名前を呼ぶ。

｢それにしても意外ですね｣
『何がかしら』
｢赤井と接点のないような貴女が奴の生死に興味がおアリなんて｣
『結構仲良かったのよ？』
｢どうだか｣

組織内で私と赤井が話しているところなんて誰も見ていないだろう。
組織での関わりは持たないようにしていたのだから。

『寂しいわね。私バーボンとも良いコンビだと思っていたのだけど......これも片思いかしら？』
｢奇遇ですね。僕も前者ですよ｣