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Soya side




今日は有給を取って、
約束より少し遅めの " 迎え " に。




1ヶ月と少し前に訪れたアパート。


そこの彼女が住む部屋のインターホンを押せば、ドアの向こうから愛おしい声がした。



ずっと待ち望んでいた声。


あの日から突然聞けなくなった声。

ねぇ、なんで君は突然予定を早めたの?




開いたドアの奥にいる君に声を掛けるよりも早く動いた身体は、挨拶代わりのように部屋の中に入った。




久しぶりに会ったAに声を掛けようと、笑顔を向ければ君は怯えた表情でこちらを見向きもせずに、その場に座り込んだ。




「 A…… 」




そう呟くと、やっと目が合った。




『 …………っ、蒼、弥くん…? 』




「 ごめんね、待った?待ったよね。彼奴がいないうちに逃げよう?俺と 」




そう言えば、君は如何にも理解し難い表情で、何言ってるの?、と問いた。




気付いていないの?



あの手紙の差出人が俺だってこと。





『 なん、で………………? 』





なんで?
理由なんて簡単だよ。



俺は彼奴が憎い。死ぬほど憎い。


俺と君を引き離した彼奴が。作間が。





「 A、好きだよ。今も変わらず 」




今もなお怯える彼女の震える唇にそっと自分の唇を重ねると、君は俺を突き放した。





『 やめて、蒼弥くん! 』




「 ねぇ、A。俺の言ってること、まだわかんない?俺は今も、Aを愛してるんだよ? 」




『 でもわたしはもう蒼弥くんは好きじゃない!わたしは龍斗くんと結婚した。龍斗くんが好きなの! 』





龍斗くん、そう君から吐かれる言葉は俺の胸にいちいち刺さる。



煩い。憎い。羨ましい。



なんで、なんで、、なんで、、、




「 なんで彼奴なんだよ!! 」





思わず声を荒げれると、本能のままに君を少し乱暴に押し倒した。



助けて龍斗くん、と泣き叫びながら暴れる君は美しい。
でも君の涙に俺は気づけなかった______





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ハル(プロフ) - ずっとずっと続きが気になってたので読めて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年12月16日 22時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぷちまる(プロフ) - Mirukyさん» コメントありがとうございます!新作の方もこちらの作品も引き続き、よろしくお願いします! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 410c5672ce (このIDを非表示/違反報告)
Miruky(プロフ) - 作品読まさせていただいてます!新作の方も見ようと思っています。忙しいとは思いますが、更新頑張ってください! (2018年10月27日 0時) (レス) id: 7712cdd349 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぷちまる | 作成日時:2018年10月16日 23時

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